白川前日銀総裁「大規模緩和で問題解決にはならない」(産経新聞)



 白川方明(まさあき)・前日銀総裁は22日、日本記者クラブで記者会見し、「日本経済が直面する問題の答えは金融政策にはない」と述べ、日銀が取り組む大規模な金融緩和は経済再生の直接的な“処方箋”にはならないとの見方を示した。世の中に大量のお金を供給する量的緩和策は需要を一次的に喚起する時間稼ぎに過ぎないとの分析から、人口減少と財政悪化という根本的な課題に取り組むよう求めた。

 総裁在任中、小出しの金融緩和がデフレを悪化させたと批判を浴びた白川氏。だが、その反省で大規模緩和を導入した後任の黒田東彦(はるひこ)総裁も2%の物価上昇目標を達成できずにいる。

 白川氏は、量的緩和は需要の先食いで年々効果が低下するため「長続きはしない」と説明。日本経済の根本的な問題は物価下落にはなく「人口減少に経済社会が十分適合できていないこと」であり、少子高齢化に伴う社会保障の赤字解消に取り組むべきと強調した。

 日銀が取り組んでいる“非伝統的な金融政策”は経済活動の下押しを防ぐために効果があったとしながらも、その副作用として日本人が根本的課題を直視せず「(金融緩和で)問題が全て解決する」と誤解してしまったと指摘。財政の持続可能性を高めることが「最大の出口戦略」だとした。

 白川氏は現在、青山学院大特別招聘(しょうへい)教授。平成25年3月に日銀総裁を退任した後は公の場で積極的に発言してこなかったが、総裁時代を振り返る著書を今月出版したのを機に記者会見に臨んだ。

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