菅官房長官、経団連に賃上げ要請 中西会長と会談 試される官製春闘(産経新聞)



 経団連の中西宏明会長は19日、菅義偉官房長官と東京都内で会談し、来年の春闘に関し、継続して賃上げに取り組むよう要請を受けた。今年の春闘は、安倍晋三首相がデフレ脱却を目指して3%の賃上げを経済界に要請、経団連が応じる5年連続の「官製春闘」だった。会談では目標値は示されなかったが、同じ業界でも経営体力に差がある時代に、各企業が政府要請にどう応えていくのか、春闘交渉の行方が注目される。(大塚昌吾)

■消費税増税踏まえ

 会談は新内閣発足を受けて開かれ、賃上げに関し、菅氏から中西会長に対して、「来年は消費税率の引き上げを踏まえ、皆さんには一層の努力を期待したい」と要請があった。

 会談後、中西氏は記者団に、「賃上げは要求されて応じるものではない」としながらも、「消費が縮むようなことは避けたいとの思いは同じ。日本は長い間賃金が低く抑えられてきた」と、さらなる賃上げが必要との認識を示した。

■「政府要請は当然」

 中西会長への要請について、日本商工会議の三村明夫会頭は同日の記者会見で、「『官製春闘』というが、消費の低迷に対する一つの条件として政府が賃上げを要請するのは当然」と述べた。

 ただ、「個々の企業が自分の懐具合(経営状態)や将来の可能性、労働需給などを総合的に配慮してやるべきだ」とし、最終的には企業判断との考えを強調。「生産性が上がり、果実を経営側も労働者もシェアする形の賃上げが一番望ましい」と語った。

 来年の春闘では、連合が18日の中央執行委員会で、ベースアップ(ベア)を含む賃金の上昇「率」に加え、金額を明示する「賃金水準」重視を決めた。企業規模や雇用形態による格差を是正する狙いがある。

 今年の春闘では、安倍首相の3%の賃上げ要請に対し、一時金などを加味して年収ベースで応じる大手企業もあった。だが、経団連の妥結結果の最終集計では、組合員平均の上昇率は2・53%にとどまった。

 民間企業の賃金は、労使交渉で決めるのが原則だが、消費活性化には収入増が不可欠だ。ただ、日商の三村会頭が「賃上げが消費につながる対策が必要」と語るように、政府には、賃上げ要請と同時に、収入増が、貯蓄ではなく消費に回るような景気対策が求められる。



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