大井川鉄道、「グッズ」が象徴する経営の変化(東洋経済オンライン)



10/19(金) 7:00配信

東洋経済オンライン

 SL(蒸気機関車)列車の運転で有名な静岡県の大井川鐵道(以下、大井川鉄道)。同社は沿線人口の減少が進むなかで観光客の誘致に力を入れ、収入のほとんどをSL列車などの観光利用者から得る形で運営を続けてきた。

【写真】「きかんしゃトーマス号」では「きかんしゃトーマス弁当」とお茶を楽しむことができる

 だが、2011年の東日本大震災による旅行需要減に加え、高速ツアーバスの事故を受けたバス運転手の走行距離規制強化が2013年に実施された結果、首都圏からの日帰り団体バスツアーが激減。2011年度から3期連続で最終赤字を計上することになってしまった。

 窮地を脱することができたのは、2014年にアジア初の本物の蒸気機関車による「きかんしゃトーマス号」を運転開始したことと、2015年に地域経済活性化支援機構の仲介で、筆頭株主が名古屋鉄道から北海道のエクリプス日高に変わり、静岡銀行をはじめとする金融機関が約35億円の債務のうち23億円を免除したことによる。

 これらの施策により2015年度の最終利益は24億9010万円(特別利益に計上した債務免除額の23億7120万円を含む)に。その後は2016年度が2億8449万円、2017年度は2億1756万円と黒字が続いている。

■グッズにどんな変化が? 

 この間の大きな出来事としては、2017年6月16日にエクリプス日高が全株式を譲受して大井川鉄道を100%子会社にしたこと、そして同年10月27日の臨時株主総会で、エクリプス日高出身の前田忍社長が退任し、大井川鉄道生え抜きの鈴木肇社長が就任したことがあった。

 その大井川鉄道で、もう一つ変化を感じることがある。同社が販売する鉄道関係の「グッズ」だ。同社の営業利益に占めるグッズの割合は20%強になるといい、経営上も決して無視できない存在だが、最近は人気の「トーマス」関連商品だけでなく大井川鉄道のオリジナルグッズが急速に増えているのだ。

 大井川鉄道は蒸気機関車の保存運転を開始した当初から、記念切符をはじめグッズ販売に力を入れていたが、「きかんしゃトーマス号」が走るようになってから、一気にトーマス関連グッズが増えた。

 商品点数が増えただけでなく、実際にきかんしゃトーマス号の関連商品は人気が高い。その理由の一つは手の込んだ造りであることだろう。たとえば、新金谷駅前にある売店やミュージアムなどが入った施設「プラザロコ」で販売している「きかんしゃトーマス弁当」は、すし部分が機関車の前面と動輪、その上の具材が機関車本体と煙という凝ったものだ。このほかにもトーマス関連商品は数多く販売されており、観光客の人気を集めている。

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