政府税調、仮想通貨の納税簡素化を議論(産経新聞)



 政府税制調査会(首相の諮問機関)は17日開いた総会で、仮想通貨に関する納税作業の簡素化に向けた制度整備の検討を始めた。課税対象となる仮想通貨の利益は売却益以外にも種類が多く、算出方法も複雑なため、納税者が確定申告を怠る原因になっている。税調は煩雑さを和らげることで納税を促したい考えで、今後、少人数の専門家会合を設け、詳細に議論を進める方針を明らかにした。

 仮想通貨の売却などで得た利益は雑所得に当たる。一般的な会社員の場合、仮想通貨で年間20万円超の利益を得れば確定申告し、所得税を納めなければならない。

 ただ、仮想通貨は取得価格と売却価格との差で得た売却益だけでなく、ほかの仮想通貨と交換し換金して得た利益にも課税される。含み益のある仮想通貨で商品を購入した場合も課税対象となる。

 さらに、得た利益の計算に必要な取引履歴データの保存方式は仮想通貨の交換業者ごとに異なり、利益の記録対象などが統一されていない。納税者は正確にすべての利益をつかむことが難しく、適正な納税申告の妨げとなっている。

 こうした課題を踏まえ、総会では委員から、「納税申告が簡素化するよう環境を整えるべきだ」との意見が相次いだ。

 具体的には、マイナンバーカード制度を活用して正確に所得をつかむシステムの導入や、株式投資で使われる証券会社の特定口座のように、仮想通貨の利益を納税者が一括して把握できる仕組みの構築を求める声があった。

 このほか委員は仮想通貨と同様、ネットなどを通じ個人間でモノやサービスを共有する「シェアリングエコノミー(共有型経済)」も新型経済と位置付け、利益を正確に把握し課税する必要があると指摘。

 税調の中里実会長は総会後の記者会見で、仮想通貨やシェアリングエコノミーについて、「税制以外の枠組みや取引慣行も踏まえる必要があるので、まずは少人数の専門家会合を開き、外部の意見も聞きながら議論を深める」と話した。

 新型経済以外では、相続税や贈与税に関し、「資産価格を適正に把握できるようにすべきだ」との意見が出た。教育資金贈与に対する税優遇についても「資産を持っている人ほど経済的に有利な現在の仕組みを見直すべきだ」といった“格差是正”を求める声が上がった。



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