日中、自動運転で提携 有望分野、協力は是々非々(産経新聞)



 日中の自動車業界団体が提携するのは、自動運転が新しいビジネス機会を生み出す有望な分野とみられているからだ。日本が自動車で圧倒的な技術的優位を誇っていた時代は過ぎ、中国は自動運転や電気自動車(EV)などの新分野で覇権を狙っている。日本側には国内の環境整備を進めるとともに、“呉越同舟”の連携を戦略的に活用し、競争力強化につなげることが求められている。

 今月、トヨタ自動車とソフトバンクが発表した提携も、自動運転社会の到来を視野に入れたもの。自動運転車をスマートフォンなどで気軽に呼んで移動できるサービスが始まれば、市場の拡大は必至だ。

 ただ、両社の共同出資会社の社長に就くソフトバンクの宮川潤一副社長は「まだ、自動運転車を公道で走らせる環境にはない」と指摘した。

 法整備を含めて環境が整い、企業が実際にサービスを行って初めて、ノウハウの蓄積やデータ収集が可能になり、技術革新も生まれる。

 自動運転のような新分野で競争力を高めるには、企業だけでなく政府や業界団体も一体となった取り組みが重要だ。今回の提携で国際標準づくりを進められれば、自動車会社も各国の市場で全く異なる仕様の自動運転車を販売するよりも、投じる経営資源を抑えられる。

 関係者によると、提携は中国側からの申し入れが契機という。中国は信号や標識と自動運転車が相互に通信する、インフラ協調型といわれる自動運転技術を開発している。“自動運転都市”の建設を輸出し、新たな外貨獲得手段にしようとする思惑もあるようだ。

 日本側の関係者は提携に関して、「どの分野で協力していくかの検討はこれから。何でも一緒にやるというのではなく、是々非々で進めたい」と話している。(高橋寛次)

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