新興国からマネー流出 債務膨張で返済困難に(産経新聞)



 【ヌサドゥア=西村利也】インドネシア・バリ島のヌサドゥアでのG20財務相・中央銀行総裁会議では、一部の新興国で見られる急激な通貨下落のリスクも議題となる。米国が利上げを続ける中で、新興国から投資マネーを引き揚げる“逆流”の動きが強まり、通貨が売られている。新興国は米ドル建ての債務を多く抱えており、自国通貨が下落すれば債務は膨張し、返済に窮する国が出てくる懸念もある。

 逆流の遠因は2008年のリーマン・ショックだ。先進各国の中央銀行が景気下支えのために低金利政策をとったため、新興国に投資する流れが加速。しかし、景気が回復すると米国は15年に利上げを開始。今年に入っても3カ月に1度のペースで利上げを続け、再び投資マネーが米国に戻っているのだ。国際通貨基金(IMF)も9日に新興国から1千億ドル(約11兆3千億円)規模の資金が流出する可能性を指摘、新興国経済に及ぼす影響に懸念を示した。

 新興国の通貨下落で懸念されるのがドル建て債務の拡大だ。三井住友アセットマネジメントの市川雅浩シニアストラテジストは「新興国の多くは国内経済が未成熟なため、設備投資などは海外からの借り入れに依存するケースが多く、債務に占める外債の割合が高い」と指摘。こうした国で通貨が下落すれば、ドル建て債務が膨らみ、返済が困難になると警鐘を鳴らす。

 足元ではトルコやアルゼンチンの通貨下落が目立つ。トルコリラは1ドル=6リラ前後で年初から約37%下落。アルゼンチンペソは1ドル=37ペソ前後と、ほぼ半値だ。通貨の下落は輸入価格上昇を通じてインフレにもつながるとされ、トルコの9月の消費者物価指数は前年同月比24・52%上昇。すでに物価高騰が国民生活を直撃し始めている。

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