銀行がダメなのは「金融緩和」のせいではない(東洋経済オンライン)



10/6(土) 9:00配信

東洋経済オンライン

■金融緩和の「副作用」を言いたがる人達

 今年に入ってから、日銀による大規模な金融緩和の「副作用」を強調する論調がメディアで増えている。

 例えば10月2日に発足した第4次安倍改造内閣の経済政策について『朝日新聞』(10月3日、朝刊、「経済政策、見えぬ道筋 安倍改造内閣」)は、「『アベノミクス』路線は続くが、柱となる日本銀行の大規模な金融緩和に『副作用』が目立つ」と、金融緩和の副作用を第1の課題に挙げている。

 小見出しに「金融緩和『正常化』出口探る」と立てて、朝日の記事は続くのだが、何が副作用なのかと読んでみると、「低金利による銀行の収益悪化といった副作用も指摘される中、今後はどうやって『正常化』へと導くかが最大の課題となる」とある。

 この記事は、低金利で銀行が儲からないことが問題であり、この状況は異常なのだと印象付けたいらしい。金融緩和の「副作用論」は、銀行に近い利害を持つ人々から出ているようだ。

 また、筆者が取材を受けた別のメディアでは、銀行等の金融機関が投資信託や貯蓄性保険などを強引に販売する理由として、「日銀の金融政策で本業が儲からなくなったので、金融機関は手数料稼ぎに傾斜しているのだ」というストーリーを認めさせようとして、筆者に食い下がった。

 何れのメディアの認識も不適切であり、少なくとも不正確だ。

 金融機関が、これまで貸し出し金利のベースだった長期金利が低下して貸出金利が下がったり、有価証券運用で利益を出しにくくなったりしたことは、事実の推移として一部その通りだ。

■問題の本質は「銀行のビジネスモデルの行き詰まり」

 しかし、たとえば銀行が、有望なビジネスを見つけて成長のための資金を貸したり、あるいは顧客に対してコンサルティング的な付加価値を持っていたりするなら、例えば短期金利にスプレッド(利鞘)を乗せて貸してもいいし、何らかの手数料を別途取るビジネスで儲けてもいいはずだ。

【関連記事】

Related Post



コメントを残す