相次ぐ自然災害、訪日客伸び率鈍化 4000万人達成に黄色信号(SankeiBiz)



 北海道の地震や大阪北部地震、豪雨など相次いだ自然災害で、訪日外国人旅行客の増加ペースが鈍っている。被災地域への訪日旅行の自粛が続くためで、2020年の訪日客数4000万人との政府目標達成に向け、足かせとなりかねない状況だ。

 政府が観光立国の目標を掲げたのは内需拡大と地方創生の一挙両得をかなえるためだ。11年の東日本大震災で減少した訪日客は昨年は2869万人と過去最高を更新。20年の4000万人に到達するためには対前年比約12%増を3年続ける必要があり、今年の目安は3213万人計算だ。日本政府観光局(JNTO)によれば、今年1~8月は同期比12.6%増の2130万8900人で、2000万人突破も過去最速だった。

 だが、6月の大阪北部地震以降は前年同月比の伸び率は鈍化している。原因は中国と並ぶ最大市場、韓国だ。16年6月から24カ月間は2桁成長だったが、7月に5.6%の減少に転じ、8月も4.3%減。夏の猛暑も訪日自粛に追い打ちをかけた。9月の結果は10月中旬に公表となるが、「関西国際空港の長期閉鎖、北海道の地震もあった。韓国、近距離の東アジアは厳しい結果を覚悟している」(観光庁幹部)。

 SMBC日興証券は、大阪北部地震から北海道の地震までの自然災害影響で、131万人の訪日客と1610億円の旅行消費額が失われたと推計。10月以降はV字回復し、今年は3185万人程度になると見込む。

 北海道観光振興機構(札幌市)の担当者は「地震前は訪日客で混んでいたのに今も閑散。訪日客が戻ってこないと中小事業者が悲鳴を上げている」と話す。同機構は、自治体など38団体が制作したPR動画を海外向けに発信するなど、支援に乗り出した。観光関連業者も生き残りをかけてオールジャパン体制で臨む。(日野稚子)

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