吉野家HD、外食の「4重苦」で経営環境厳しく 中間決算、最終赤字(SankeiBiz)



 吉野家ホールディングス(HD)の中間決算は最終赤字に沈み、通期でも赤字に転落する。前回の通期赤字は牛丼業界の価格競争が主因だったが、今回は原材料高、人件費増、コンビニ弁当など「中食」との競争激化、消費者の低価格志向の「4重苦」が背景で、外食産業の厳しい経営環境を象徴した格好だ。

  牛丼大手の吉野家HDが5日発表した2018年8月中間連結決算は、最終損益が8億円の赤字に転落した。前年同期は12億円の黒字だった。中間期の最終赤字は8年ぶり。人手不足を背景とした人件費の上昇や原材料価格の高騰が主因。

 「今期は牛肉で15億円、コメや鮭なども含め、原材料で28億円の原価上昇になる」。原材料費の負担増について、河村泰貴社長はこう分析する。

 「今期は牛肉で15億円、コメや鮭なども含め、原材料で28億円の原価上昇になる」。原材料費の負担増について、河村泰貴社長はこう分析する。

 国内では業務米の生産者の減少で、外食各社の取り合いになり価格上昇が深刻。さらに吉野家がこだわる米国産牛肉の調達価格は、ほぼ高止まりの状態が続く。アジア各国で需要が高まっている上、昨年夏には政府が緊急輸入制限(セーフガード)を発動し関税が引き上げられた。中国が米国産輸入を解禁したのも上昇圧力となっている。

 また人件費は、東京都内のバイトの時給が1000円を超えている。深夜時間帯は1500円に達する。それでも人材確保競争は激しく、積み増ししなくては採用が難しい状況だ。

 一方、競合関係にある中食は昨年、総菜市場が初の10兆円超えとなる好調ぶり。ファミリーマートが専用工場2カ所を新設するなど、コンビニ大手の攻勢は加速するばかりで、顧客争奪戦は厳しさを増している。

 そして最大の課題が消費者の「デフレマインド」だ。コスト増を価格に転嫁し、値上げすれば客離れが避けられないのが、最近の外食市場だ。なかでも牛丼は消費者の価格感度が高いとされるため、河村社長は5日の会見でも「値上げは計画にない」と強調した。コスト上昇の中でも、値上げできないジレンマが外食各社の業績に重くのしかかっている。(平尾孝)

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