スルガ銀処分 免れぬ金融庁の責任 「長官に忖度」の声も(産経新聞)



 スルガ銀行の不正融資問題で、投資用不動産融資の6カ月間停止という厳しい処分を下した金融庁だが、問題が発覚するまでは、同行を低金利環境でも収益を上げ続ける「地銀の優等生」と持ち上げていた。ただ、実態は嘘で塗り固められた砂上の楼閣だった。有効な措置を講じることができず、事態を悪化させた監督官庁としての責任は免れない。

 「不正を早期発見できなかったことは事実で、反省しなければならない」。処分を発表した同庁幹部は、報道陣から追及されるとそう述べて唇をかんだ。スルガ銀の不正行為は営業部門を中心に同行の上層部から末端まで蔓延していた。それにもかかわらず、金融庁は何年も事態を見過ごしていた。

 同庁によると、毎年立ち入り検査するメガバンクと違い、数が多い地方銀行は事前に決算などを見た上で、立ち入り検査の必要性を判断するという。スルガ銀も平成24、25、29年に立ち入り検査したが、検査対象が投資用不動産融資ではなかったため、不正を見抜けなかった。

 金融業界に詳しい帝京大の宿輪純一教授は「監督官庁に求められている、顧客保護の役割が十分に果たせていないのではないか」と金融庁の検査能力を危惧する。スルガ銀については森信親前長官が、同行のビジネスモデルを称賛していたことから「長官への忖度(そんたく)で、スルガ銀については多少のお目こぼしもあったのではないか」(メガバンク関係者)といぶかる声も上がる。

 金融庁は7月、検査局を廃止し一部を監督局に統合する大幅な組織再編を実施。金融機関の「処分」から「育成」へと行政目標を転換させたが、不正を見抜けなければ、まっとうな育成はおぼつかなくなる。(蕎麦谷里志)

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