相次ぐ自然災害で訪日客の勢い鈍化(産経新聞)



 9月の北海道地震や台風21号など今夏に相次いだ自然災害で、訪日外国人旅行客の伸びが鈍っている。被災地域への旅行を敬遠する動きや風評被害の懸念もあり、平成32年に訪日客を年間4千万人に増やす政府目標の達成が危ぶまれる恐れも出てきた。

 政府が「観光立国」を旗印に、訪日客増の数値目標を掲げたのは、内需拡大と地方創生の一挙両得をかなえられるからだ。23年の東日本大震災で落ち込んだ訪日客は29年に2869万人と過去最高を更新した。

 32年に4千万人を達成するには、前年比12%増を3年続ける必要があり、今年の目安は3213万人。日本政府観光局によると1~8月は前年同期比12・6%増の2130万人で2千万人突破も過去最速だった。

 ただ、6月の大阪北部地震以降は伸び率が鈍化。1~6月は前年同月比9・0~23・3%増と堅調に推移したが、7月は5・6%増、8月も4・1%増と大きく減速。とくに、訪日客の2割超を占める韓国で日本への旅行を敬遠する動きが広がり、7、8月の韓国人訪日客はそれぞれ5・6%、4・3%減少した。

 9月分も「関西国際空港の閉鎖や北海道地震もあった。厳しい結果を覚悟している」(観光庁幹部)という。

 SMBC日興証券は大阪北部地震から北海道地震までの災害影響で131万人の訪日客と1610億円の旅行消費額が失われたと推計する。北海道観光新興機構(札幌市)の担当者は「地震前は訪日客で混んでいたのに今も閑散。中小事業者は悲鳴を上げている」とこぼす。

 石井啓一国土交通相は5日の記者会見で、「外国人旅行者の安全安心の確保が重要課題」と強調。多言語に対応できる空港職員の新規雇用などを進めるという。

【関連記事】

Related Post



コメントを残す