「寝るだけ」打破 夜間も飲食や娯楽を健全に楽しめるナイトタイムエコノミー社会実験(SankeiBiz)



 住友不動産や大成建設、野村不動産など東京・西新宿地区にビルを所有する16社で構成された「新宿副都心エリア環境改善委員会」は、夜間も飲食や娯楽を健全に楽しめるナイトタイムエコノミーの活性化に向けた社会実験に着手した。その一環として6日までに6カ所でショートフィルムの上映会を実施。鑑賞に訪れた人の歩行ルートなどを検証した上で、夜間のにぎわいの創出を目指す。

 ◆「寝るだけ」打破

 大手町・丸の内や渋谷、虎ノ門といった都内の主要エリアでは大型再開発が相次いでいる。一方、西新宿の超高層ビル街区は20万人の就業者を抱えているにもかかわらず、他エリアと異なり大型の建て替え工事がないこともあって、存在感が希薄になりつつある。

 また、エリアには京王プラザホテルやパークハイアット東京など、合計で6600室という日本一の集積度を誇るホテル群が稼働し、多くの外国人観光客が宿泊するなど稼働率も高いが、娯楽がないこともあって「寝るだけの場所」(大手デベロッパーの担当者)といった傾向が強い。

 こうした状況を打破するため同委員会では、2015年度から歩道などの公共空間を生かした社会実験を開始。4回目となる今年度はナイトタイムエコノミーに焦点を定めた。

 今回の催しは「西新宿超高層ビル SHORT SHORTSシアター」。新宿駅コンコースや超高層ビルの公開空き地など、普段はゆっくりと足を止めることがないオープンスペースに特設シアターを設置し、期間中にアジア最大級の国際短編映画祭が厳選した22本のショートフィルムを上映する。

 ◆イベントと連携

 また、近隣で開催されているイベントとも連携。西新宿エリアは道路が広いことがネックになって高層ビル間の回遊性が高くないため、今回の事業を踏まえこうした課題の解消に向けた道筋をつけ、夜間でも人でにぎわう街づくりにつなげていく。

 外国人観光客の間からは「夜間に文化や芸術を楽しめる場所がない」といった不満が根強いことから、ナイトタイムエコノミーの活性化に向けた機運が高まっている。

 例えば渋谷区観光協会と新宿観光振興協会は連携し、バウチャー(利用券)を発行。外国人客が安心して飲食できる店を紹介するサービスを、19年から始める。

 また、不動産協会の菰田正信理事長(三井不動産社長)はスポーツや文化といったジャンルごとにナイトタイムエコノミーの需要喚起につながる方策を考えた上で、「東京都の魅力をアピールできるようにしなければならない」といった見解を示している。(伊藤俊祐)



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