トヨタに危機感 ソフトバンクと提携、サービス分野強化へ本腰 「競争の相手、大きく変化」(SankeiBiz)



 業種が全く異なるトヨタ自動車とソフトバンクが手を組んだのは、移動サービス市場の拡大が確実視されているからだ。ライドシェア(相乗り)などのサービスが普及すれば、トヨタもこれまでのように自動車を造って売るというビジネスだけでは立ちゆかなくなる懸念がある。危機感を抱くトヨタの豊田章男社長はサービス事業への本格参入に向け準備を進めてきた。もっとも、有望な新事業をめぐる世界的な競争の激化は必至で、日本を代表する両企業の強力な連合とはいえ、勝ち残れる保証はない。

 「未来のモビリティー(乗り物)社会を現実のものとするための提携だと思っている」

 4日、東京都内で開かれた記者会見に登壇した豊田社長は、ソフトバンクとの協業の狙いをこう話した。豊田氏がこれまでも繰り返してきた「トヨタは自動車メーカーではなく、モビリティーサービスを提供する会社になる」との方針のもと、選んだ最適なパートナーがソフトバンクだったというわけだ。

 トヨタがソフトバンクグループに魅力を感じた理由には、孫正義会長兼社長が進めてきた、将来有望なライドシェア企業への出資がある。ファンドからの出資を含めるとウーバー・テクノロジーズ(米国)、滴滴出行(中国)、グラブ(シンガポール)、オラ(インド)という有力企業の筆頭株主であり、孫氏は4日も、「世界シェアでみると合わせて9割。彼らとは毎月のようにさまざまな形で会って次の戦略を語り合っている」と強調した。

 次世代の移動サービスは自動運転車両だけで展開できるわけではない。人工知能(AI)による需要予測や効率的な配車システムを含め、ライドシェア企業が蓄積したノウハウが必要になる。そこでトヨタが目を付けたのがソフトバンクグループだったわけだ。さらに、トヨタの背中を異業種提携へと押した背景には新市場をめぐる熾烈(しれつ)な主導権争いがある。ホンダと米ゼネラル・モーターズが、GMが来年始めるライドシェアサービス向けに自動運転車両を共同開発することで提携。GMのメアリー・バーラ会長兼最高経営責任者(CEO)は「自動運転技術のリーダーシップを拡大する」と自信を示している。米IT大手グーグル系のウェイモは、年内にも自動運転車両による配車サービスを始めるという。

 豊田社長は会見で、「競争の相手もルールも大きく変化している」と改めて今後の戦いに危機感を示した。(高橋寛次)

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