お帰りアイボ ソニー復権へシグナルに AI搭載、より犬らしく(産経新聞)



 ■社長「感動もたらす」

 一世を風靡(ふうび)した犬型ロボット「AIBO」の撤退から、12年ぶりに後継機「aibo」の発売を発表したソニー。復活を決めたのは業績不振を乗り越え、成長軌道への回帰に向けて「機が熟した」(川西泉執行役員)と判断したためだ。

 ソニーは長らくエレクトロニクス事業の不調など経営不振にあえぎ、「VAIO」ブランドのパソコン事業売却や、人員削減など構造改革に大なたを振るってきた。しかし、ここに来て潮目が変わった。

 前日の決算発表では平成30年3月期の連結営業利益の予想を前期比2・2倍の6300億円に上方修正。「20年ぶりの過去最高業績になる」(吉田憲一郎副社長)などソニーは再び成長軌道に入る見通しだ。

 11年に誕生したAIBOはその愛くるしいしぐさなどでファンをとりこにし、累計販売台数は約15万台を数えた。ところが、その人気とは裏腹に業績不振などを理由に18年に生産は打ち切りになった。

 このためAIBOの撤退はソニーの“凋落(ちょうらく)の象徴”として語られることが多かった。今回の復活劇はソニーの企業体力の回復と重ね合わせてみれば、復権に向けたシグナルとも言える。

 かつてソニーは、ヘッドホンステレオ「ウォークマン」やゲーム機「プレイステーション」など豊かな発想で商品を世に送り出し、先進的、革新的というイメージを体現する企業だった。しかし、その立ち位置はスマートフォンのiPhone(アイフォーン)で市場を席巻する米アップルなどに取って代わられて久しい。

 国内企業では、シャープは音楽にあわせて踊るロボット型携帯電話「ロボホン」を投入。ソフトバンクのヒト型ロボット「ペッパー」は店舗での接客をこなす。いずれも主要なテクノロジーに人工知能(AI)とロボット技術を用い、同じ技術を使うソニーの事業環境は決して甘くはない。

 aiboは「感動をもたらす」(平井一夫社長)商品として、再び消費者に受け入れられるだろうか。その成否は、ソニーの将来を示すことになるかもしれない。(柳原一哉)

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