リーマン10年 アベノミクスで好転した日本経済 財政悪化など負の側面も顕在化(産経新聞)



 米国を震源地とし、日本経済にも大打撃を与えたリーマン・ショックから15日で10年を迎える。その後、東日本大震災の追い打ちもあり停滞した日本経済だが、金融緩和を中心とした安倍晋三政権の経済政策「アベノミクス」で経済は好転し、景気拡大は戦後最長を更新する勢いだ。一方で、財政悪化などの“負の側面”も顕在化している。(西村利也)

 リーマン・ショックによる海外市場の急速な冷え込みは、輸出主導型の日本経済を直撃した。直前に1万2千円台だった日経平均株価は平成20年10月に一時6千円台まで急落。1ドル=110円台だった円ドル相場は23年に70円台まで円高が進み製造業の業績が悪化した。実質国内総生産(GDP)成長率は20年度から2年続けてマイナスに沈んだ。

 こうした状況下で本格的な景気てこ入れ策を打ち出したのが、24年12月に発足した第2次安倍政権だ。大量のお金を世の中に供給する「異次元」の金融緩和策、公共事業に資金を投入する財政出動、規制緩和などで経済発展を促す成長戦略の「三本の矢」を柱としたアベノミクスを発動。円安が進み、輸出産業を中心に企業の業績が回復した。

 足元で円ドル相場は1ドル=111円台の円安に戻し、株価は2万3千円台に上昇した。雇用環境も21年に0・47倍に沈んだ有効求人倍率は29年に1・50倍に改善。景気拡大期間は、来年1月で戦後最長の74カ月間に達する見通しだ。

 しかし、景気回復の実感は国民に広く行き渡っていないとの指摘もある。29年の2人以上の1世帯当たりの消費支出は28万3027円で21年(29万1737円)に届かない。実質賃金指数(27年=100)も29年は100・5で、21年(104・3)より低く、賃上げが消費を喚起し物価が上昇する経済の好循環は起きていない。

 リーマン・ショック後の経済対策などで21年度以降に新規国債を発行し続け、国・地方の債務残高は1千兆円以上に膨張。高齢化が進み社会保障費が拡大する中、財政悪化にも歯止めがかからない状況だ。

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