進む公共工事の「平準化」 最多と最少の月の差、1・5倍に縮小(産経新聞)



 公共事業が特定の時期に偏るのを避ける「平準化」が進みつつある。内閣府の調べでは、平成26年度の公共投資出来高は最多の12月が最少の5月の約1・8倍だったが、29年度は約1・5倍まで縮んだ。翌年度以降の工事を前倒しして契約する手法の導入が毎年度の当初予算で進み、工事の時期を調整できるようになったことが大きい。

 公共事業は31年10月の消費税増税後の景気低迷などを防ぐため、今後も増える可能性があり、集中期に人手不足で工期が遅れるといった弊害を防ぐ取り組みは一層重要になる。

 内閣府が公共事業のための投資の出来高を分析したところ、26年度の最多は12月で2兆3442億7300万円と、最少の5月(1兆3011億600万円)より80・2%多かった。

 この差は翌年度以降、縮小傾向にあり、29年度は、最多の12月(2兆1644億7700万円)が、最少の5月(1兆4285億7千万円)を51・5%上回る結果となった。

 背景には、支出を翌年度以降にも回せる「国庫債務負担行為」という手法が27年度当初予算から導入され、公共事業を翌年度初めから行えるようになったことがあるとみられる。

 原則、予算は年度内に消化しなければならないため、通常は当初予算に計上された工事は4月に契約され、秋から年末にかけ実施。補正予算の工事は1月ごろの予算成立後に契約され、年度末に行われてきた。このため、4~6月ごろの工事は少なかった。

 だが、工事が過度に集中する年末や年度末は人手や機材が不足するといった問題が大きくなり、政府は27年1月、公共工事の平準化に向け、国庫債務負担行為の活用を求める指針を策定。足元でこの効果が出てきた格好だ。政府は今年6月決定した経済財政運営の指針「骨太方針」でも、数値目標を設定し、工事の平準化を加速する方針を打ち出している。

 ■国庫債務負担行為 工事などの実施が複数年度に渡っても、あらかじめ国会の議決を経て契約できる制度。会計年度ごとに予算を編成し、支出はその年度の収入で賄うとする「単年度主義」の例外となる。年度内に契約を行うが、国費の支出は初年度がゼロで、翌年度以降から支出を行う「ゼロ国債」などがある。内閣府によると、当初予算での国交省関連の債務負担行為の金額は27年度の200億円から、30年度は3085億円まで増えた。

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