ギリシャ、20日にEU金融支援から自立 国民生活は苦しいまま(産経新聞)



 【ベルリン=宮下日出男】財政危機に陥ったギリシャへの欧州連合(EU)の金融支援が20日、終了する。2010年以来8年ぶりの“自立”だ。厳しい改革を経て経済・財政状況は一定程度改善したが、国民生活は苦しいまま。国家立て直しの道はなお険しい。

 ギリシャでは09年に財政赤字の粉飾が発覚。金融市場の信頼を失い、自力での資金調達が困難になったことから、EUへの支援要請に追い込まれた。3度にわたる支援の総額は約2890億ユーロ(約36兆円)に上る。

 財政緊縮策への反対を掲げるチプラス現政権が15年に誕生し、一時はユーロ圏離脱の現実味も増したが、政権はその後方針転換。改革を進め、経済成長率は11年のマイナス9.1%から17年はプラス1.4%に改善し、財政収支も目標を達成している。このため、EUは今年6月、金融支援を終了させる枠組みで合意していた。

 ただ、公的債務はEU加盟国最大の国内総生産(GDP)比約180%。今後もEUの監視下で財政規律の維持を求められ、来年には再び年金削減が予定される。失業率はピーク時の約28%から19.5%に減ったが、ユーロ圏最悪。経済協力開発機構(OECD)は貧困層の拡大を警告する。

 経済の改善に対する国民の実感も乏しく、メディアは、ギリシャ市民の不安の声を相次いで伝えている。職探しや学業のために国を離れた国民も多く、その数は若者を中心に35万~40万人と推計される。人材の流出は長期的な経済発展に影響しかねず、アテネ大のベレミス名誉教授は「支援終了を祝う理由は何もない」と述べている。

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