星野リゾートは「ビジネス客を忘れて」ホテルを変える 星野リゾート代表・星野佳路氏 ザ・輝き人(日経トレンディネット)



8/13(月) 11:00配信

日経トレンディネット

知識と経験を糧に人生をアップグレードさせ続け、いくつになっても輝き続ける話題の人物にスポットを当てる「ザ・輝き人」。最初に登場いただくのは、星野リゾート代表の星野佳路氏だ。「星のや」をはじめ「界」「リゾナーレ」「OMO」など、国内35拠点、海外2拠点でホテルやリゾート施設の運営を行う観光のカリスマは、58歳を迎えた今、何を思うのか。

【関連画像】「OMO5 東京大塚」は全125室。部屋は靴を脱いでくつろげる「YAGURA Room」というコンセプトでデザインされている

●58歳でのチャレンジは新ブランド「OMO」

――31歳で星野温泉(現星のリゾート)の社長に就任して以来、「星のや」「リゾナーレ」「界」と、矢継ぎ早に独創的なホテルブランドを展開してきた星野氏。50代も終わりにさしかかろうとする2018年、さらなるチャレンジをスタートさせた。新たなホテルブランド「OMO(おも)」の開業だ。4月に旭川、5月に東京・大塚にオープンした「OMO」は、カジュアルで革新的なインテリア、変幻自在なパブリックスペースを備えた新感覚の都市型ホテル。ホテルから徒歩圏内の街歩きをスタッフがサポートする「ご近所戦隊 OMOレンジャー」なるサービスもあり、ホテルステイのみならずディープなご当地体験をもウリにしている。この新ブランドが誕生するきっかけは、2005年にまで遡る。

星野佳路氏(以下、星野):当時、長野県の浅間温泉にある温泉旅館の再生に携わっていました。そのころの浅間温泉の集客数は右下がり。近くの松本市を訪れる観光客は増えているにもかかわらずです。そこで調査をしたら、観光客の多くが松本市内のビジネスホテルに泊まっていることが分かりました。要するに都市観光に来ているのだから、宿泊はビジネスホテルで十分だということなんですね。

 反対に、温泉地に宿泊する人は温泉保養が目的です。浅間温泉の旅館を再生して立ち上げた「界 松本」は、そうした方々をターゲットにしています。このホテルは団体客をとらないということもあってか、静かな保養を望む宿泊客に好評で、集客数もそこそこ伸びています。

 一方で、都市への観光客が増えているのであれば、その人たちが泊まるホテルも星野リゾートとして提供すべきだろうと思いました。私たちの事業は観光がメインですから。では、既存のビジネスホテルと、私たちの目指すホテルではどこが違うのか。ビジネス客に向いた一般のビジネスホテルは、「観光客もどうぞ」というスタイル。つまり、ビジネス客用に建てられた建物とサービスの中に、観光客が“間借り”している状態ですね。それだと、観光客のテンションはおそらく下がるにちがいありません。そこで私たちはビジネス客は切り捨て、観光客のニーズに応えることだけを考えるようにしたんです。ビジネス客を忘れると、ホテルのサービスもハードも大きく変わるはずだというところから、「OMO」はスタートしました。

 ただ、星野リゾートは運営会社ですから、場所を選ぶ権利は残念ながらありません。たまたま所有者から声をかけていただき、弊社からもいろいろ提案し、それがいい方向に進んで実現したのが、旭川と大塚のケースです。現在はこの2つのみですが、今後も開業を計画しています。

【関連記事】

Related Post



コメントを残す