JR東が総力戦で挑む「超高速」新幹線の勝算(東洋経済オンライン)



8/13(月) 5:00配信

東洋経済オンライン

 次世代の新幹線に求められるのはスピードか、それとも快適性か。この春に確認試験車がデビューしたJR東海(東海旅客鉄道)の新型新幹線車両「N700S」は、東海道区間における最高速度は現行と同じ時速285kmのまま、乗り心地などの快適性を向上させる。なお、確認試験車では、新技術の確認など量産化に向けたさまざまな試験を行う。

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 一方で、JR東日本(東日本旅客鉄道)は、来春の完成を目指し開発中の試験車両「ALFA-X(アルファエックス)」で試験最高時速400km程度の実現と快適性の向上という二兎を追う。その成果を踏まえて現在の東北新幹線の主力車両「E5系」の後継車両を開発し、営業最高時速360km運転を目指す。速度と快適性を同時にレベルアップするのは、決して容易ではない目標だ。

■2030年度の札幌開業に新型車両投入

 JR東日本が新型車両の開発に踏み切ったのは、2030年度末の北海道新幹線札幌延伸を見据えてのことだ。現在の北海道新幹線区間(新青森―新函館北斗間)の旅客収入はJR北海道(北海道旅客鉄道)に帰属するが、東京―札幌間を新幹線で移動する人が増えれば、その分だけ、JR東日本のテリトリーである東京―新青森間の旅客収入が増える。羽田空港―新千歳空港間の航空機利用者は年間975万人。その一部でも新幹線に取り込むことができれば、JR東日本のメリットは計り知れない。ただ、そこに立ちはだかるのが所要時間の壁だ。

 現在の東京―新函館北斗間の最短所要時間は4時間2分。新幹線が航空機よりも優位に立つとされる「4時間の壁」をタッチの差で切ることができず、東京―函館間における航空機と新幹線を合わせた利用者のうち新幹線の比率は35%にとどまる。4時間を切れない原因の一つとして、貨物列車と共用走行する青函トンネルとその前後区間内で新幹線の最高時速が140kmに抑えられているという点が挙げられる。

 事態の打開に向け、国土交通省は2018年度末に同区間内の新幹線の最高速度を時速160kmに引き上げることを検討している。実現すれば、東京―新函館北斗間の最短所要時間は3分短縮され、3時間59分。わずかだが4時間の壁を切る。

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