パナとNECが激突、空港「顔認証」ゲートの戦い(東洋経済オンライン)



8/12(日) 6:00配信

東洋経済オンライン

 世間はお盆シーズン真っただ中。海外旅行に出掛ける人も多いだろう。そんな楽しい空の旅にも、面倒な手続きが付きものだ。出入国審査である。この手続きのあり方が今、大きな変革期にある。

【写真】顔認証ゲートに旅行者がずらり

 8月初旬、夏休みの行楽客などで込み合う羽田空港。国際線ターミナルに到着した中国・上海発の便からは、土産物を抱えた家族連れや出張帰りとおぼしき会社員が、続々と入国審査場に流れてきた。

■ものの10数秒で無人審査が完了

 スタッフの誘導で乗客が向かったのは、審査官の待つおなじみのゲートではなく、ズラリと並んだ10台の無人ゲートだ。まずパスポートを手元のスキャナーにかざし、ICチップ内の顔画像データを読み込ませる。次に、ドレッサーのような大きなミラーに表示される指示に従い、ミラーに埋め込まれたカメラで顔写真を撮影。写真とパスポートの顔情報が照合されると、ゲートが開いて入国審査は終了だ。この間、ものの十数秒。訓練を積んだ審査官の手続き時間とほぼ変わらないという。

 結局、大多数の乗客が無人ゲートを利用したが、ピーク時でも長い行列ができることはなかった。乗客からの反応も、「長旅で疲れているときに、人と対面せずスムーズに手続きできるのはありがたい」(20代女性)と上々だ。

 法務省は今年、国内5空港(成田、羽田、関西、中部、福岡)にこの顔認証ゲートを本格導入した。現在は日本人向け入国審査場のみに設置されているが、10月からは日本人の出国審査場にも拡大される予定。同時に、外国人の出国審査での実用化に向けた実証実験も始まる。

 導入の背景には、深刻化する出入国審査官の人手不足がある。訪日観光客数が伸び続ける今、一部の空港では外国人向け入国審査場の長い待機列が常態化。LCC(格安航空会社)を中心に多くの国際線が発着する関西国際空港の場合、最長待ち時間は1時間を超えることもしばしば。ある。打開策として指紋認証による自動化ゲートを試験導入したものの、事前の指紋登録が必要なことがネックとなり、利用率は1割を切る。

 そこで法務省はこれまで何度か審査官の緊急増員に踏み切っており、今年も279人を増員。それでも、政府が掲げる2020年に4000万人の訪日客受け入れの実現には十分でない。人手不足によって、厳格性が求められる外国人の入国審査がおろそかになっては一大事だ。そこで、「少しでも多くの審査官を外国人の入国審査に注力させるため、事前登録がいらず、厳格さも担保できる顔認証ゲートを採用することになった」(法務省入国管理局総務課の菱田泰弘補佐官)。

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