日米新通商協議、初回は「入り口」で終了 トランプ政権、中間選挙にらみ圧力強化に転換の恐れ(産経新聞)



 日米の閣僚級の新通商協議(FFR)初会合は、双方が自国の立場や相手国への要望を主張する「入り口」の議論で日程を終えた。9月の次回会合に向け、日米は妥協点を見いだす協議を急ぐ。トランプ米政権は、11月の米中間選挙で一部の与党候補の苦戦が伝わり、輸出拡大を迫る強硬路線に拍車をかけるとの見方も浮上。今後の対日協議で圧力強化に転じる恐れがある。

 協議初日、米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表は、ワシントンのUSTRで茂木敏充経済再生担当相を笑顔で迎えた。

 「ようこそ。大臣ご就任後の訪問は初めてですね」

 ライトハイザー氏は茂木氏にそう問いかけ、談笑した。茂木氏は、記者会見で「思慮深い人物」とライトハイザー氏を持ち上げ、信頼構築に自信をみせた。

 茂木氏は米離脱後の11カ国の環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)をまとめ上げた。2国間の自由貿易協定(FTA)を重視するライトハイザー氏は、対極の存在だ。TPP復帰を米国に求める茂木氏と、相手国の譲歩を勝ち取りやすい2国間協議を持論とするライトハイザー氏の相違は、今の日米協議が抱える難しさを映し出している。

 初回の協議で、茂木氏は「(米国抜きの)11カ国のTPPが早ければ来年早々にも発効するとライトハイザー氏に明確に伝えた」といい、日米は多国間枠組みの中で交渉を進めるべきだとくぎを刺した。

 一方、製造業の国内回帰を掲げるトランプ米大統領は、11月の中間選挙に向けて有権者にアピールできる成果を求めている。2020年の再選を視野に入れるトランプ氏は、かつて製造業が栄えた中西部を重視しているが、最近の中間選の選挙情勢では、中西部オハイオ州内などで与党・共和党候補が苦戦。選挙情勢サイトでは、一部の選挙区で「共和党優勢」が「接戦区」や「民主党優勢」に変更されるケースも目立つ。

 共和党支持層で、関税を発動してでも国内産業保護を目指すトランプ氏の通商政策への支持は高く、同氏が「一段と厳しい姿勢に傾く」(通商関係者)との見方もある。USTRは声明で「相互理解に基づき日米の協力分野を拡大する」とし、厳しい矛先を収めている。だが、大統領や議会の意向を受けたUSTRが、今後の対日協議で、農業などの市場開放圧力を強める懸念は拭えない。

(ワシントン 塩原永久)

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