新通商協議、落としどころ見えず 来月延長戦も(SankeiBiz)



 新しい通商協議(FFR)の初会合は、主張の隔たりが埋まらず、予定を延長し10日も継続されることになった。米国は11月の中間選挙、日本も来夏に参院選を控えるといった政治的な背景もあり、なお落としどころは見えない。日米は9月下旬に開かれる見込みの首脳会談を前に、FFRの成果を得たい考えだ。初会合で合意に達しなければ、来月にも2回目のFFRを開く可能性がある。

 「“出たとこ勝負”だ。トランプ米政権は事務方による事前調整ができない」。経済官庁の幹部は初会合を前にこう嘆いた。

 外交交渉は事前に事務方が協議内容について、ある程度意見をすり合わせ、その上で閣僚級が折衝にのぞみ、成果を目指すのが通常だ。だが、トップダウンで意思決定するトランプ政権は「閣僚抜きでの協議ができない」(日本政府関係者)という。

 11月の中間選挙を前に外交上の成果を急ぐトランプ政権は、欧州連合(EU)や北米自由貿易協定(NAFTA)加盟国とも通商交渉がめじろ押しだ。事務方での事前調整が難しいこともあり、貿易協議を担うライトハイザーUSTR代表への負担が増している。

 多忙なライトハイザー氏のスケジュールが合わず、FFRの初会合も当初の7月から8月にずれ込むなど、トランプ政権特有の事情が、日米の通商協議にも支障をきたしている。

 日本の政治日程も影響を及ぼす。米国は日本にFTAを迫り、農産品などでさらなる市場開放を求める。これに対し日本政府内には、米国が検討する自動車輸入制限を回避するために、一定の譲歩を探る動きもある。

 だが、9月には自民党総裁選、来年夏には参院選を控えており、農業団体や農家の反発が必至な農産品での譲歩は困難だ。

 9日、協議後に記者団の取材に応じた茂木担当相は「早期に成果を出したいという考えは共有している」と強調した。だが、日米の妥協点はなお見通せていない。(大柳聡庸)

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