ゲノム編集「一部切り取り」 GM技術該当せず 環境省(日本農業新聞)



 環境省は7日、農作物を含む生物の遺伝子を削ったり加えたりして特定の特徴を伸ばす「ゲノム編集」について、DNAの一部を切り取って消す技術は、従来の遺伝子組み換え(GM)技術に該当しないとする考え方を示した。GM作物を規制するカルタヘナ法は適用されず、農作物の研究や商業栽培が進む可能性がある。一方で、環境や健康の安全面への懸念から、慎重な議論を求める声もある。

 同日、専門家による検討会を開き、GMではない技術の明確な定義や安全性確保の対策などの検討に着手。2018年度中に産業利用する場合などのルールをまとめ、公表する計画だ。

 ゲノム編集は、農作物なら収量を制限する遺伝子など、生産上、不利になるDNAの一部を切り取って消す手法と、耐病性を持たせるなどの目的で、別の生物のDNAを入れる手法が2種類ある。今回、GM技術に当たらないとされたのは、DNAの一部を消す方の技術。入れる方の技術は、従来と同じGM技術として扱う。

 これまで、こうした整理が明確でなかったが、中央環境審議会の部会で7月に大枠の方針を提示を受け、整理した。

 委員からは、GM技術に該当しないとする場合、「意図していないDNAが入っていないか確認が必要」「今後出てくる別の新技術をどう扱うか」などの意見が出た。

 8月中に検討会を開き、意見を整理して中央環境審議会に示し、ゲノム編集を研究や産業利用するルールをまとめる。

 カルタヘナ法は、GM作物などを野外に逃がさない厳重な対策などを義務付ける国際法。内閣府が6月にまとめた統合イノベーション戦略では、ゲノム編集の産業利用を進めるため、カルタヘナ法上の取り扱いを整理するよう勧めている。

 欧州連合(EU)の欧州司法裁判所は7月、「ゲノム編集」で開発した作物については、GM規制の対象にすべきとの判断を示している。

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