民泊で儲けたい人を妨げる「厳格規制」の波紋(東洋経済オンライン)



7/23(月) 5:30配信

東洋経済オンライン

 横行する違法民泊への対策として、住宅宿泊事業法、いわゆる民泊新法が6月15日に施行されて1カ月超。民泊の運営条件が厳格化されたことによる“狂騒曲”が、いまだおさまりそうにない。

【図解】民泊新法は営業日数の制限が足かせに

 「6月に入ってから、急きょ民泊からの撤退を決めた家主からの問い合わせが1日数十件はあった」。そう語るのは、家具付き賃貸マンションなどの運営を手がけるレジデンストーキョーの野坂幸司社長だ。同社は、民泊から撤退したことで空いた部屋を家具ごと引き取り、都市部で需要が増えるマンスリーマンションとして借り上げるサービスの「撤退110番」を今年5月から開始した。すると、民泊新法の施行直前になって問い合わせが殺到したという。

■借り上げたくても条件が合わない

 だが、物件の借り上げは思うように進んでいない。「たとえば、こちらが月8万円で借り上げたいと提案しても、お客様は『民泊では月25万円の収入があった。もう少し値上げできないか』と価格交渉がうまくいかない場合が多い。契約に至ったのは片手で足りるほどの件数だ」(野坂社長)。

 地域広告掲示板サイトの「ジモティー」では、民泊撤退を決め、物件を引き払わなくてはならない家主が破格で中古の家具や家電のもらい手を募集する投稿も急増。民泊運営に甘い夢を見た家主の、悲痛な叫びが聞こえてくるようだ。

 「日本の家で宿泊体験をしたい」、「大人数で一軒家を貸し切りたい」といった訪日観光客の多様なニーズの受け皿になっていた民泊。これまで、合法的に民泊を運営するには、東京都大田区や大阪市などの特区で認定を受けるか、旅館業法上の簡易宿所の許可を得て運営するかの2択だった。

 ところが実態は、民泊仲介サイトなどで流通する物件の約8割が違法民泊だったといわれる。そこで、野放図な現状を一旦交通整理し、健全な運営を促進しようというのが、民泊新法施行のそもそもの目的だった。

ところが、水清ければ魚棲まず。これまで民泊として運営されていた多数の物件が撤退に追い込まれることになった。7月23日発売の『週刊東洋経済』は、「熱狂の開業ラッシュ ホテル爆増」を特集。訪日観光客が増加する中、異業種からの参入や民泊の法整備などによって沸騰するホテル業界の現在を紹介している。

 民泊大量撤退の震源となったのが、民泊仲介最大手の米エアビーアンドビー(Airbnb)だ。同社は、4~6月までの3カ月で、民泊新法下での届け出番号がない約5万件の物件をサイトから削除した(調査会社エアラボ調べ)。3月半ば時点で約6万2000件の物件が登録されていたが、現在はその2割程度に留まる模様だ。

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