食べ物を自動運転車やロボットで配送? アメリカで実験活発、「セルフデリバリー」とは(SankeiBiz)



 アメリカでは今年に入ってから、自動運転中の車による死亡事故が相次いで2件発生し、一部では見直し論も起きた。しかし自動運転技術は着実に進化しており、近い将来普及することは間違いない。一般に自動運転車というと、人が運転しなくても目的地まで運んでくれるというイメージだが、それだけではない。無人の車で「モノ」を運ぶサービスの実証実験も行われている。

 アメリカのピザ・レストラン大手ドミノズは今年2月から、フォードの自動運転車によるセルフデリバリーの実証実験を、フロリダ州マイアミで開始した。顧客が電話やスマートフォンのアプリなどでピザを注文すると、自動運転車がドミノズの店舗に向かい、店員がピザを積み込んだら、指定の住所へ配達するという仕組みだ。ただし車には誰も乗っていないため、客は家から出て車から自分でピザを取る必要がある。

 ドミノズによれば、マイアミに続き同社の本社があるミシガン州アンアーバーでも実験を行っており、6月にはネバダ州ラスベガスでも実証実験を開始したという。

 実験を続けるうち、「自動運転車による配達にはいくつかの課題があることがわかった」とドミノズは述べている。たとえば注文した人が都市部のアパートに住んでいる場合、駐車する場所を見つけるのが難しい。駐車しても顧客の住居から遠ければ、客に遠距離を歩かせることになってしまう。

▽続々と実験が始まっているセルフデリバリーロボット

 自動運転によるセルフデリバリーに使用されているのは、フォードが提供しているような一般的な自動車だけではない。アメリカのスーパーマーケット大手クローガー(35州で2800店舗を展開)は、シリコンバレーを拠点とするロボット開発企業ニューロと提携、小型専用車による食料品の無人配送実験をこの秋開始する計画だ。

 ニューロの自動運転車「R-1」は高さ約1.8メートル、幅は一般的なセダンの半分ほどで、最高時速は約40キロ。屋根に設置されたセンサー、レーダー、カメラを使って目的地へ向かう。到着すると顧客にアプリやメッセージなどで専用コードが送信され、それを入力すると自動運転車のドアが開き、食料品が取り出せるという仕組みになっている。

 ちなみにニューロを創業した2人の技術者は、グーグルで自動運転車のプロジェクトに携わっていた。

 スカイプの共同創業者が2014年に立ち上げたスターシップ・テクノロジーズも、セルフデリバリーロボットを開発する新興企業だ。カリフォルニア州マウンテンビュー所在のクラウド会計ソフト会社インテュイットの本社で、従業員に食品やオフィス用品などを配達する実験を行ってきたが、今年4月末、アメリカとヨーロッパの企業および大学に、大々的に導入すると発表した。

 具体的な導入先および時期は公表されていないが、2018年末までに、複数の企業および大学に計1000台の自動運転ロボットを導入する計画という。

 インテュイットでは、従業員が専用アプリを使って食べ物や飲み物を注文すると、ロボットが本人のもとまで配達している。注文後平均17分で届くそうで、そのおかげでわざわざカフェテリアなどへ行ったり、購入のために列に並んだりする必要がなくなるため、時間が節約できると概ね好評だ。

▽トヨタが配送用無人電気自動車の運用でアマゾンなどと提携

 日本の企業も多様なサービスを意識した自動運転技術の開発に力を入れている。なかでもトヨタ自動車は今年1月、米ラスベガスで開催された国際家電見本市CES2018において、自動運転電気自動車「イーパレット・コンセプト」を発表した。

 これはライドシェア、配送だけでなく、車両での物販などさまざまな用途に活用できる自動運転の電気自動車で、すでにアマゾン、配車サービスのウーバー、中国のライドシェアのディディ、ピザハットなどが参加を表明している。

 たとえばアマゾンの場合、イーパレットの利用により、運送業者を介さずに無人車による直接配送が可能になる。ピザハットはイーパレットを、現在アメリカで勢いのあるフードトラック(移動店舗)として活用する計画を打ち出している。

 街中を走る車の大半が無人運転となる日も、そう遠くないかもしれない。

(岡真由美/5時から作家塾(R))

 《5時から作家塾(R)》 1999年1月、著者デビュー志願者を支援することを目的に、書籍プロデューサー、ライター、ISEZE_BOOKへの書評寄稿者などから成るグループとして発足。その後、現在の代表である吉田克己の独立・起業に伴い、2002年4月にNPO法人化。現在は、Webサイトのコーナー企画、コンテンツ提供、原稿執筆など、編集ディレクター&ライター集団として活動中。



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