米の車追加関税が影 貿易収支 輸出、リーマン前回復も(産経新聞)



 平成30年上期の日本の輸出額は40兆円を超え、リーマン・ショック前の20年以来の高水準に達し、輸出の好調ぶりが際立った。しかし、この上昇機運に水を差す懸念材料も多い。米国と中国の貿易摩擦に加え、トランプ米政権は日本の主要輸出品である自動車への追加関税の検討を始めた。適用されれば、対米輸出の依存度が高い日本経済が打撃を受けるのは必至だ。(西村利也)

 日本の自動車メーカーの米国向け輸出は29年で年間約174万台に達し、自動車輸出の約4割、国内生産の約2割を占める。

 各社は米国での増産などで関税問題への対応を検討するが、米国は好景気による人手不足で従業員の増員もままならない。「サプライヤーや雇用の面を考えると、簡単な問題ではない」(SUBARUの中村知美社長)という。

 実際、トヨタ自動車とマツダが昨年発表した米国内での合弁工場計画は用地取得を含めて時間がかかり、稼働予定は2021年と4年を要する。

 また、米国とカナダ、メキシコの3カ国で進めている北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉も懸念材料の一つだ。交渉の結果次第では、トランプ氏がメキシコとカナダで生産された自動車に関税を課す考えを示しているからだ。

 日本の自動車各社はカナダとメキシコにある生産拠点からも米国向けに年間150万台規模を輸出しており、「交渉の結果次第では、日本の自動車産業は大きな打撃を受ける懸念も高まる」(農林中金総合研究所の南武志主席研究員)。

 互いに制裁関税を掛け合う米中の貿易戦争の勃発では「日本が中国から米国向けに輸出している自動車部品が下押し圧力を受ける」(南氏)。貿易戦争の終結は見通せず、懸念材料ばかりが積み上がっている。

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