西日本豪雨から2週間 田畑埋もれたまま 広島県呉市(日本農業新聞)



 西日本豪雨の発生から20日で2週間。被災地は連日の炎天下、後片付けに追われている。今なお、断水や通行止めで生活もままならない地域は多い。広島県呉市安浦町中畑の市原集落では、複数の土砂崩れが発生し、3人が亡くなった。家や田畑は巨石や木、土砂に埋もれてしまった。それでも住民は前を向き、暮らしを取り戻そうともがいている。

 同集落では6日午後8時30分ごろ、1回目の土砂災害が発生した。自治会長の中村正美さん(68)は、自宅から1キロほど離れた被災家屋を確認するため車で向かったが、その現場で午後8時45分ごろ、2回目の土砂災害に遭遇した。

 「このままでは死ぬ」。数メートルの目前まで迫る土砂。退路を断たれ、ちゅうちょする余裕もなく車を放棄し、その場を逃げた。停電で暗闇に包まれ、頼りはヘッドライトの明かりだけ。泥流に腰まで漬かりながら必死に歩き、避難所へたどり着いた。

 雨が降り続いた2日間で、24世帯の集落は一変した。家屋や倉庫12戸が全半壊。どこが農地かも分からない。山あいの農地は広くても10アール、狭いと4、5アールしかない。それでも、耕作放棄地が一つもないことが集落の誇りだった。

 中村さんは水田2・2ヘクタールのうち9割以上が被災した。家は1棟が流され、もう1棟は半壊。避難所と家を行き来して片付けに追われる毎日だ。「今年の米は駄目。来年も駄目かもしれない。だが、なんとしてもこの農村風景を残したい。国の支援に頼らざるを得ないが、いくらかかってもここに住む」。中村さんは先を見据える。

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