教育無償化財源、経済界で意見割れる 3000億円の拠出めぐり疑問の声(SankeiBiz)



 日本商工会議所の三村明夫会頭は2日の定例会見で、安倍晋三首相が、教育無償化の財源の一部として、企業に対して3000億円の拠出を求めていることに対し、「さまざまな疑問があり、オープンな議論が必要だ」と発言し、早急な決定に対して牽制(けんせい)した。また、政府や、安倍首相から協力を直接要請された経団連から「説明がない」ことに対して不快感も示した。

 今回、3000億円拠出のために負担割合の引き上げが検討されている「事業主拠出金」は、企業の収益状況や規模に関係なく、従業員の賃金に一律かかる。現在は0.23%が負担割合で、約4000億円が拠出されている。これについて、三村氏は「現状では大企業が全体の4割に対して、中小企業が6割を負担している」と指摘した。

 さらに、追加で3000億円の拠出となった場合、企業内託児所の整備に1000億円程度使われるとされる一方で、「一般の託児所の整備に(企業が負担した残りの)2000億円が使われるとみられているが、今後、資金が不足するたびに、経済界に事業主拠出金の増額として、負担を求め続けるのか、今回で打ち止めになるのか、はっきりしていない」と疑問を呈した。

 また、「労働分配率でも、大企業が43%なのに対し、中小企業の労働分配率は70%で、付加価値のほとんどを賃金に回している。人手不足の中で防衛的な賃金の引き上げも実施しているなかで、中小企業にとって、新たな負担は厳しい」として、優遇措置の実施や、今後の方向性なども含め、「慎重な議論が欠かせない」と要望した。

 3000億円の企業拠出については、10月27日に安倍首相から要請を受けた直後、経団連の榊原定征会長は「経済界の合意形成が重要で、しっかりと検討していきたい」と記者団に説明したほか、経済同友会の小林喜光代表幹事会見が講演の中で「十分対応できる」と述べ、協力に前向き姿勢を示すなど、経済界で意見が異なっている。(平尾孝)

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