マツダ、市場の退潮逆手に 「17年後もエンジン車85%」 得意技術で勝負(産経新聞)



 国内大手自動車メーカーがディーゼル乗用車の縮小へとかじを切る中、マツダはディーゼル車の退潮を逆手に取る戦略に打って出る構えだ。競争相手が減るディーゼル市場で得意技術の存在感を高めたいとの思惑がある。

 「自動車業界は変革期。マツダの独自性を強みに取り組んでいく」。6月、マツダが広島県府中町の本社で開いた株主総会。その後の取締役会で副社長執行役員から昇格した丸本明新社長は強みのエンジン技術の開発の手を緩めない姿勢を強調した。

 今春以降、SUV「CX-5」や旗艦モデル「アテンザ」などの改良車を相次ぎ発売し、ディーゼルエンジンの進化を見せつけた。

 対照的にトヨタ自動車と日産自動車は欧州向けディーゼル乗用車の販売を段階的に縮小すると表明。2030(平成42)年までに世界販売台数の3分の2を電動車両とする方針のホンダも、市場を見極めながらディーゼル車の展開を見直している。

 背景には、VWの排ガス規制逃れ問題を発端に欧州で強まるディーゼル車への逆風がある。自動車調査会社の英JATOダイナミクスによると欧州でのディーゼル車の販売は今年に入っても低迷し、欧州市場に占める1~4月のディーゼル比率は9ポイント減の37%に落ち込んだ。英仏両政府は2040年までに、化石燃料を使うエンジン車の販売を禁止する方針だ。

 それでもマツダがディーゼル技術の進化に執念を燃やすのは、当面はエンジン車による環境保全効果が大きいとみているからだ。

 国際エネルギー機関(IEA)は、35年時点でもハイブリッド車(HV)を含むエンジン車が世界販売の約85%を占めると予測。マツダは、主流のエンジン車で二酸化炭素(CO2)排出量を「ウェル・ツー・ホイール(燃料採掘から車両走行まで)」という観点から削減することを重視している。

 マツダの工藤秀俊執行役員は「一部メーカーしか持たない『特別なエンジン』としてディーゼルの存在価値が上がる」とみている。(臼井慎太郎)

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