試運転用「N700S」は営業運転に使わないのか(東洋経済オンライン)



7/14(土) 9:00配信

東洋経済オンライン

■日中の試運転がスタート

 JR東海が開発した新幹線「N700S確認試験車J0編成」(以下J0編成)の走行試験が3月20日から始まった。当初は浜松工場をベースとして、静岡エリアを中心に夜間試運転を行ってきたが、6月4日からは日中の試運転がスタート。新大阪にも顔を出すようになった。

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 そして、6月22日深夜には大井車両基地へ回送され、翌6月23日から東海道新幹線全区間での試運転を開始。東京駅でもJ0編成の姿を見ることができるようになった。さらに、6月末には山陽新幹線区間にも入線した。

 J0編成の走行試験のうち、現在は基本性能試験をしている段階となる。N700Sはデュアル・スプリーム・ウィング形状の先頭部や、SiC素子を使用したVVVFインバータ主回路装置、新型台車枠、6極駆動モーター、ヤマバ歯車、油圧フルアクティブサスペンション、新型パンタグラフなど、新開発の部品が数多く採用されている。

 また台車振動検知システムや地震ブレーキの改良、小型・大容量リチウムイオンバッテリーなど信頼性・安全性も向上しているため、設計通りの性能を発揮することができるかを確認する作業となる。

 この基本性能試験の過程で、リチウムイオンバッテリーを使用したバッテリー自走システムの自走試験を9月に実施する予定だ。バッテリー自走システムはN700Sに新たに搭載されたもので、リチウムイオンバッテリーの充電電力を使用して低速での自力走行を可能としており、地震発生時などで長時間停電した場合にトンネルや鉄橋などから地上へ移動させることが可能となる。

 また、10月には8両編成での走行試験を予定している。N700Sは4両を1ユニットとして8両、12両、16両編成の編成展開が容易な標準車両としており、国内外の要望に合わせた車両の提供を考慮している。

 N700Sの詳細な開発プログラムは公表されていないので、一般的な新幹線電車の開発プログラムに照らし合わせて考えると、基本性能試験の結果を反映させてN700S量産車の最終仕様を決定し、2020年度のデビューへ向けて設計・製造が始まると思われる。

■走行試験は3年間実施される予定

 J0編成の走行試験はこれで終わるわけではなく、続いて長期耐久試験に移行する。これは部品などの耐久性を確認するためのもので、新幹線電車では1年半かけて45万km走り込む。なお、台車については60万km走行して耐久性を確認する。そのため量産車が登場した後も耐久試験は続くのが通例で、J0編成の走行試験も概ね3年間実施される予定と発表されている。

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