日本のエリートに欠ける「本質」見抜く力の源(東洋経済オンライン)



7/14(土) 8:00配信

東洋経済オンライン

 今、私たちはどんな時代を生きているのだろうか。そんな問いを投げかけなければいけないほど、時代の変化は速い。

 今世紀に入って、テロとの戦いやグローバリズムが急速に進み、従来の政治・経済の体制が揺らぎ始めている。インターネット上の情報は秒速よりも速く更新され、AI(人工知能)は指数関数的に進化している。これらのせいで、先の読めない不確かさが蔓延している。

そんな時代を生き抜くためには、これまでとは違う能力が求められる。とりわけ、時代を切り開こうとするビジネスパーソンにとって、そうした能力を身に付けることは喫緊の課題だといっていいだろう。拙著『ビジネスエリートのための!  リベラルアーツ 哲学 』でも触れているが、具体的には、

・混沌とした時代を分析する力
・正解がない中で決断する力
・難問を解決する力
・新しい価値を生み出す力
 などが挙げられる。これらの力を鍛えるためには、まず確かな知識を身に付ける必要がある。そのうえで、その知識を自由自在に活用し、自分自身で思考することが求められる。ひと言で言うと、今私たちに求められているのは、そんな確かな知識をベースにした強靭な思考力にほかならない。その思考力を形づくるベースを「教養=リベラルアーツ」と位置づけていいだろう。

■現代の教養「リベラルアーツ」

 それは表層的な知識やちょっとした計算能力のことではない。従来、優秀なビジネスパーソンに必要とされてきた、英語やIT、会計の知識などは、やがてAIに取って代わられる可能性が高い。

 また、MBAなどで学ぶフレームワークやロジカルシンキング、戦略やマーケティングの手法は、効率よく業務をこなすためには確かに役立つツールだが、そこから大胆な発想やイノベーションはなかなか生まれてこない。そんなとき威力を発揮するのが、確かな知識とそれをベースにした強靭な思考力だ。

 特に欧米では、大学の4年間をかけて、このリベラルアーツをみっちり学ぶ人も多い。アメリカにはこれらを学ぶことが目的のリベラルアーツ・カレッジも数多くあるほどだ。仕事に用いる知識やスキルである、法律、経済、会計、経営などは、その後の大学院で学ぶのである。

 ちなみに教養とは、決して知識を丸暗記していることではない。難解なラテン語の詩の一節を口ずさめるとか、中世のマニアックな楽曲を知っているとか、そういうことでもない。

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