「消しゴム」はどうやって字を消しているのか(東洋経済オンライン)



7/14(土) 8:00配信

東洋経済オンライン

私たちの生活に普及し、いつも当たり前のように使っている「モノ」にはどれも、まさに“知る人ぞ知る”技術が備わっている。たとえば“筆記用具の王道”を歩み続ける「消しゴム」と「鉛筆」。パソコンの隆盛により、かつてほど使用機会はないかもしれないが、老若男女、古今東西を問わず、人類はこれらの文房具の「技術」の恩恵により、英知を得ていったといっても過言ではない。
『雑学科学読本 身のまわりのすごい技術大百科』を著したサイエンスライターの涌井良幸・貞美両氏に、私たちが日頃よく使う文房具の「すごい技術」について、イラストを使いながらわかりやすく解説してもらった。

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■消しゴムが字を消すしくみがよくわからない! 

 1564年に黒鉛が発見され、ほどなくそれを棒に挟んだ筆記用具(鉛筆の原形)が発明された。ところが、世界初の「消しゴム」が製品化されたのは、1772年ロンドンにおいてと言われる。鉛筆の起源となる筆記用具の発見から消しゴムの発見までには200年近い、大きなタイムラグがある。人類は“ベストな組み合わせ”を発見するのに、ずいぶんと時間を要したことになる。

 ところで、消しゴムで鉛筆の字が消せるのはなぜだろう。その秘密は、黒鉛粒子と紙との関係にある。

 鉛筆で紙に書いた点や線は、紙の表面に黒鉛の粉末が付着しているだけの状態だ。だから、こすってはぎ落とせば字は消える。しかし、こするだけでは字は消えない。拡散してしまうからだ。消しゴムは黒鉛の粉末を中に絡め取り、消しくずとしてまとめてくれる。これが、消しゴムで鉛筆の字が消えるしくみだ。

 最近の消しゴムはプラスチックでできている。ゴムよりもよく消えるということで、急速にシェアを広げた。そこで、鉛筆の字を消すゴムやプラスチックは「字消し」と統一して呼ばれる。だが、「消しゴム」という名称のほうが通りはいい。

 次の図に、プラスチック消しゴムの製法を示したが、完成品は一つひとつ紙ケースに収められる。消しゴムのプラスチックは接触すると再結合してしまうからだ。

 周知のように、インクで書かれた文字は、消しゴムでは消せない。インクの文字は紙の繊維に染み込んでいるからだ。これを消すには「砂消しゴム」が必要となる。ゴムに含まれる細かい砂で、染み込んだインクを紙から削ぎ落とすのだ。もっとも、最近では修正液や修正テープのほうが手軽で人気があるようだ。

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