北朝鮮の「米国は強盗」声明には深い意味がある(東洋経済オンライン)



7/13(金) 13:00配信

東洋経済オンライン

 6月12日の米朝首脳会談後、米朝間で事務レベルの交渉が継続的に行われている。ここで話し合われていることは、いったい何なのだろうか。

 「アメリカが要求しているCVID(完全な、検証可能な、不可逆的な核廃棄)に北朝鮮がコミットせず、交渉は平行線をたどっている。北朝鮮はアメリカの姿勢を強く非難し始めており、核廃棄へ向けた動きは頓挫するのではないか」との見方が報じられることが多くなっている。しかし、そのように大ざっぱな見方では現状を正しくとらえられない。

 交渉では、いったい何が話し合われているのか。解説していこう。

■「一方的に強盗のように要求」は正しい表現

 まず米朝交渉の現状を俯瞰しておこう。

 マイク・ポンペオ米国務長官は7月6~7日、平壌を訪問し(3回目)、朝鮮労働党の金英哲副委員長と非核化に向けて協議した。そして8日、東京で河野太郎外相、韓国の康京和外相と会って協議内容を共有した。金英哲副委員長は米側の主張を理解し、「完全で検証可能、不可逆的な非核化にコミットする」と再度約束したという。

 ところが、同長官が平壌を離れた直後に、北朝鮮外務省は報道官声明を発表し、「米側は一方的に強盗のように要求してきた」と非難。こちらを北朝鮮の本意としてとらえ、「非核化は成功しない、米国は譲りすぎ」と思う人が増加しているようだが、事実はむしろ逆だ。北朝鮮の発表は、上品な物言いでないが、実情を率直に表している。

 そもそも、米朝間で現在行われていることは何か。

 アメリカとしては北朝鮮と詰めなければならないことがある。大きく次の4項目だ。

<1> 北朝鮮による核兵器廃棄の「決定」
<2> 決定の実行。核弾頭の解体、関連施設の廃棄のほか、平和目的利用への転換や核廃棄物の処理なども含む
<3> 非核化の「申告」。「非核化」の決定と実行について北朝鮮政府がIAEA(国際原子力機関)に申告する
<4> 申告の「検証」。申告内容が正確かどうか検証する

■「正式な意思決定」をしたかどうかが不明

 まず、核兵器廃棄の「決定」。金正恩委員長はトランプ大統領との会談に先立って、「非核化」の意思を示していたことは周知のとおりである。トランプ大統領との会談でも、改めてその考えを説明したはずだ。

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