福岡発「無料タクシー」の意外と堅実な稼ぎ方(東洋経済オンライン)



7/13(金) 12:04配信

東洋経済オンライン

 あるベンチャー企業がタクシー業界の常識をイチから変えようとしている。米ウーバー(Uber)やリフト(Lyft)のようなライドシェア(相乗り)サービスではない。広告の力で運賃を無料にしてしまおうという、「無料タクシー」だ。いったいどんなサービスなのか。

【写真】無料タクシーを考案した23歳の若き経営者

 配車サービス「ノモック(nommoc)」は、車内にあるスクリーンでさまざまな広告を見ることにより、無料で移動できる。アプリで事前登録をし、乗降車地点を指定すれば、ノモックのラッピングカーが迎えにくるという。2019年3月に福岡で行われる実証実験に向け、現在準備中だ。

■たった4分半で5000万円を調達

 2022年には都内で2000台、2023年には売上高67億円のサービスに展開していくという。今年5月に株式投資型クラウドファンディングで資金調達を募ると、目標額の5000万円をたった4分半で達成し注目を集めた。

『週刊東洋経済』は7月9日発売号(7月14日号)で「ビジネスヒントはここにある! すごいベンチャー100」を特集。注目のベンチャー企業100社を総まくりで紹介するほか、活況に沸くベンチャー界の最新の動向を伝えている。

 ノモックを立ち上げたのは、現在23歳の映像クリエイター・吉田拓巳氏だ。吉田氏は福岡県出身で、12歳の頃からビジュアルジョッキー(ライブなどで映像演出を手掛ける職業)として活躍。大型のイベントや音楽フェスで展開する広告の制作チームを率いてきた。高単価で、より高い広告効果を生むにはどうしたらいいかを考える中で、吉田氏がたどり着いた答えは意外にも、「移動中の車内」だった。

 「正直、タクシー業界に特段関心があるわけではなかった。1人でいる空間で、乗り降りする場所のデータがあることは、広告を打つ媒体として最適。飛行機のディスプレーや、トイレの個室などでもいいと思っている」(吉田氏)

 たとえば同じ20代女性でも、銀座によく行く人と下北沢に住んでいる人では、好きなファッションや商品の嗜好は違う。ノモックの場合は、利用者が事前にアプリをダウンロードして、性別・年代・関心事項などを登録する。さらに無料タクシーに乗った場所や行き先、時間帯に合わせて細かく利用者の興味関心を推測することで、より成果につながる高単価な広告を流せる。

 すでに広告の依頼も来ており、数万円単位で依頼をする地元の飲食店から、高額の広告費を出す大企業までさまざま。依頼内容に合わせ、映像制作のノウハウを駆使して広告を作っていく。ただ見て終わりになるCMだけではなく、たとえば広告画面を触ると、情報がスマートフォンに飛び、その場で商品が買えたり、ユーザーの好きそうなイベント情報があれば、その場でチケットを購入し、タクシーの行き先を変えたりすることも可能だという。

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