米中貿易摩擦、日系企業に警戒感広がる 生産体制見直しも(SankeiBiz)



 トランプ米政権が10日に中国からの2000億ドル(約22兆円)相当の輸入品に追加関税方針を明らかにしたことを受け、日本企業の間に警戒感が広がっている。中国に進出し製品を米国向けに輸出している企業も多く、今後、生産体制の抜本的な見直しを迫られる恐れもある。米中の“貿易戦争”が激化すれば、日系企業にも多大な影響を与えかねない。

 「ベトナムなど中国以外の拠点からの供給に切り替えることも検討する」

 ユニクロを展開するファーストリテイリングの岡崎健最高財務責任者(CFO)は、12日の決算会見でこう強調した。同社は米国向け商品の多くを中国で生産しているとみられる。岡崎氏は、現時点で「影響は限定的」とした上で、今後中国製の関税が大幅に引き上げられれば、生産体制を見直すことに言及した。

 トランプ米政権が10日に公表した追加関税リストは6031品目と広範囲に及ぶ。このため多くの日本企業は「品目が多岐にわたるのでグループ企業を含め詳細を調査している」(日立製作所)などと、情報収集に追われている段階だ。

 それでも米中は6日、互いに340億ドルの輸入品を対象に追加関税を発動しており、すでに生産や販売体制の見直しを検討する企業も出てきた。

 三菱電機は米国の工場で生産している自動車用部品に使う部材について、一部の調達先を現在の中国からタイなどに切り替えることを検討する。

 太平洋セメントは中国の3カ所で工場を運営。南京市の工場で生産するセメントの約3分の2を米国へ輸出しており、同社は「影響はゼロではないだろう」と話す。ホンダ系でエンジン制御機器を製造するケーヒンは新製品について、中国から米国への輸出計画を組まないことも選択肢の一つになるという。

 米国や中国を閉め出された製品が市場にあふれ、市況が過度に変動するといった懸念も拭えない。牛丼チェーン「すき家」などを展開する外食大手ゼンショーホールディングス(HD)は、調達する野菜など食材の一部を中国産に頼る。同社は「(動向を)注視していく」(広報)と身構える。

 大和総研の小林俊介エコノミストは「米国の追加関税を相殺するため仮に中国が自国通貨安に誘導すれば、相対的に日本企業の輸出競争力が低下する」と指摘し、日本企業への2次的な被害にも警鐘を鳴らす。



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