ホンダ・レジェンド 普通が話題になった上級サルーン あの時代を駆け抜けたクルマたち(日経トレンディネット)



7/13(金) 5:00配信

日経トレンディネット

日経BPnet セカンドステージに「くるまのわざ」として連載していたものを再編集して掲載しました。初出は2009年5月7日です。記事の内容は、執筆時点の情報に基づいています。

【関連画像】「ホイールベース2760mm、全長4.8メートル級の堂々たるフォルムの持ち主。静粛、安定した走りが印象的であった

●ホンダが初めて生産した上級車

 歴史は振り返ってみるといろいろなことが分かってくる。ホンダというブランドはいくつかのターニング・ポイントを経験してきたが、その一つを象徴するモデルというべきが、ホンダ・レジェンドではあるまいか。

 ホンダのフラッグシップを目指して、1980年代中盤に登場した。文字通りホンダに新しいレジェンド(伝説)をつくりだそうという意欲のもとに送り出されたモデルである。1960年代にホンダ・スポーツという小型スポーツカーで四輪自動車生産に乗りだしたホンダが、「軽」自動車で一世を風靡し、シビックでエコをうたった小型車に転身してみせた。そのホンダが初めて生産する上級車。レジェンドはホンダ自身のみならず、当時の国産上級車にも少なからぬインパクトを与えたのだった。

 ハードウエアから説明していこう。その当時はシビックに代表されるような2ボックス・ボディが中心で、その派生モデルとしての3ボックスは存在したものの、初めてといっていい大きなラゲッジ・ルームを持つコンベンショナルな乗用車フォルムだった。レジェンドの登場は、むしろ普通であることが話題になるという、いかにも当時のホンダを思い起こさせたのだった。ホイールベース2760mmは、アコードのそれよりも380mmも長く、全長×全幅も4810×1735mmとそれまでのホンダ車にはない雄大さであった。

欧州車の高級感を備えたクルマ

 エンジンはV6が新調され、排気量2.5Lとともに国内用として2.0Lが用意された。ブロックを含むアルミ合金製、それぞれ165PSと145PSとを発揮するもので、各バンク1本ずつのカムシャフトで気筒あたり4バルブを駆動するという、ホンダらしいメカニズムの持ち主。全体をコンパクトに設計し、例えばパワー・ステアリングのポンプなども両バンクの間におくという工夫を凝らしたが、さすがに90度のバンク角を持つV6エンジンをフロントに横置き搭載するには、相応のボンネットを必要とした。まあ、雄大な上級乗用車故に、デメリットというものではないが、それまでのホンダ車のショート・ノーズのイメージはない。

 足周りはフロントにダブル・ウィッシュボーン+コイル、リアにはストラットを基本にロワアーム+コイル・スプリングというこれまた新開発のものを採用。四輪ともディスクのブレーキ、アンチロック・システムを選べるといったことが特筆される時代であった。

 時代といえば、インテリアとその走り振りについては、大いにホンダらしさを感じたものである。それまでの国産上級車といえば、きらびやかに装飾された、それこそ神社仏閣的な豪華さをもって「高級」と認識させるようなところがあり、シートを含め乗り心地もソフト一辺倒であった。レジェンドのそれは、それとは全く一線を画しており、欧州車に近いテイストで仕上げられていた。つまり、インテリアは十分な装備品を備えつつも、オーバー・デコレーションを廃し、全体的にすっきりとした印象。上級モデルでもウール・モケット張り(ただし100%ウールであった)のシート、逆に全モデルにエア・コンディショナーが標準で装備された。

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