LINEモバイルの新戦略、3つの宣言が秘めた狙い 佐野正弘の“日本的”ケータイ論(日経トレンディネット)



7/13(金) 5:00配信

日経トレンディネット

2018年3月の資本・業務提携によってソフトバンクの子会社となったLINEモバイル。同社は、ソフトバンク回線を用いたサービスの提供開始と、SIMカード単体での契約を強化する方針を明らかにした。LINEモバイルの狙いはどこにあるのだろうか。

【関連画像】3つの料金プランは、ソフトバンク回線もドコモ回線も全く同じ。写真は7月2日のLINEモバイル記者発表会より

●ドコモに加えてソフトバンクの回線も利用可能に

 メッセンジャーアプリ大手LINEの子会社として、2016年にサービスを開始したLINEモバイル(東京・新宿)。同社は今年、資本・業務提携によってソフトバンクの実質的な傘下企業となった(関連リンク:開始2年足らずでLINEモバイルがソフトバンク傘下に)。

 そして2018年7月2日、LINEモバイルは、ソフトバンク回線を用いた新サービスを発表した。これまで同社はNTTドコモのネットワーク回線を借り受け、MVNO(仮想移動体通信事業者)としてサービスを提供していたが、ソフトバンク傘下となったことで、新たに同社の回線を追加するに至ったのだろう。

 とはいえ、ドコモ回線によるサービスを終了するわけではなく、ソフトバンク回線によるサービスと並行して提供していく方針。LINEモバイルの嘉戸彩乃社長は「MVNOだからできる、マルチキャリアを推進する」と話している。料金プランについても、従来のドコモ回線と同じ月額料金で利用可能。回線の切り替えにも対応し、8月末までのキャンペーン期間中は回線変更手数料を無料にする。

「最速チャレンジ」の対象はソフトバンク回線のみ

 だが実際のところ、ソニーネットワークコミュニケーションズ(東京・品川)のnuroモバイルのように、マルチキャリアに対応したMVNOは他にもある。LINEモバイルは、それらのMVNOとどのように差異化を図ろうとしているのだろうか。

 LINEモバイルの戦略が見て取れるのが、ソフトバンク回線のみを対象とした「格安スマホ最速チャレンジ」だ。これは、実質的なサブブランドとされるUQ mobileを除くMVNOの中で最速の通信速度を目指すというもの。通信速度を定点観測してウェブ上で公開し、月に1回でも1Mbpsを下回った場合はLINEモバイルの全ユーザーに1GBのデータ容量を贈呈するキャンペーンも実施するという。詳細は7月中に発表されるとのことだ。

 だが、LINEモバイルもMVNOである以上、他のMVNOと同等の条件でソフトバンクの回線を借り受ける必要がある。通信事業者が傘下のMVNOを優遇することに対して総務省が強い懸念を示している中、傘下企業とはいえ回線の増強に関してLINEモバイルが優遇されることは考えにくい。

 にもかかわらず「格安スマホ最速チャレンジ」がソフトバンク回線のみを対象としている理由は何だろうか。筆者は、ソフトバンク回線はドコモ回線よりも利用者が少なく、混雑しにくいためではないかとみる。ソフトバンク回線を有効利用することで、通信速度が遅いというMVNOに対する共通のイメージを払拭したい狙いがあるのかもしれない。

【関連記事】

Related Post



コメントを残す