北朝鮮の「CVID」が実現困難と言い切れる理由(東洋経済オンライン)



7/12(木) 18:00配信

東洋経済オンライン

 悪魔は細部に宿る――。このことわざの通り、6月12日の米朝首脳会談の合意を受けて、7月6、7両日に平壌で行われた米朝高官協議では、さっそく双方の食い違いが浮き彫りになった。

 米朝首脳会談で、ドナルド・トランプ米大統領と金正恩朝鮮労働党委員長は、「朝鮮半島の完全な非核化」と「北朝鮮への安全の保障」といういわば「決意表明」を高らかにうたった。しかし、この時点でそれらの具体的な内容や道筋があいまいだったことから、早くも閣僚級の実務者レベルで綻びが出てしまったのである。北朝鮮の核放棄を求めるアメリカと、朝鮮戦争の終戦宣言を急ぐ北朝鮮のディールのせめぎ合いだ。

 米朝高官協議に参加したマイク・ポンペオ米国務長官は「多くの点で進展があった」「誠実で建設的な対話を行った。今後も継続する」と強調したのに対し、北朝鮮側が「CVIDだの、申告だの、検証だのと言って、一方的で強盗さながらの非核化要求だけを持ち出した」と米側を強く非難したことが、綻びを象徴している。

■「CVIDが可能」という考えは幻想にすぎない

 国連でも決議されたこのCVID(完全で検証可能かつ不可逆的な核廃棄)をアメリカは北朝鮮に強く要求してきた。しかし、筆者は、残念ながら、既に北朝鮮のCVIDの実現は不可能で、幻想にすぎないと思っている。

 なぜか。米国防情報局(DIA)によると、北朝鮮は現在、核弾頭を最大で60発保有しているとみられる。また、米中央情報局(CIA)によると、北朝鮮の核施設は100カ所に上る可能性がある。北朝鮮はこれらの核弾頭や施設を本当に包み隠さずに申告するだろうか。

 さらに、北朝鮮には地下施設やトンネルが1万カ所以上あると言われているが、はたして北朝鮮はこれらの施設への全面査察を隅々まで容認するだろうか。

 北朝鮮情勢の分析で定評のある共同通信客員論説委員の平井久志氏は、7月9日に神奈川大学で行われた米朝首脳会談をテーマにした国際シンポジウムで、「アメリカが北朝鮮に要求しているCVIDが不可能」との見方を示した。

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