FRB次期議長、パウエル氏で日本経済に「円安」の追い風(SankeiBiz)



 イエレンFRB議長の後任にパウエル理事が収まれば、日本経済には当面、温かい風が吹いてくることになりそうだ。パウエル氏は金融政策の正常化をゆっくりと進めるイエレン路線を踏襲するのに対し、日銀は「異次元の金融緩和」を粘り強く続けるとみられている。日米金利差が拡大すれば、円安ドル高傾向が続く可能性があるからだ。

 パウエル氏について、東短リサーチの加藤出チーフエコノミストは「経済や物価の動きを見ながら柔軟な金融政策運営を行うだろう」と予想する。パウエル氏はこれまで金融政策に関する持論を主張することはなかったが、利上げや資産圧縮について、一貫してイエレン氏に追随してきた。

 国際通貨基金(IMF)は10月、米国の2017年の経済成長率見通しを0.1ポイント引き上げ2.2%、18年は0.2ポイント引き上げ2.3%にそれぞれ上方修正した。気がかりなのは物価が弱含んでいることで、パウエル氏は手探りしながら正常化の道を進むことになる。

 米連邦公開市場委員会(FOMC)では来年、3回の利上げを行うとの見通しを持つメンバーが大半を占める。3回の利上げは短期金利をマイナス0.1%、長期金利を0%程度に抑える日銀の緩和策にも影響を及ぼす。

 米コロンビア大の伊藤隆敏教授は「円安が進んで日本の実体経済がさらに良くなれば、日銀は長期金利の操作目標を引き上げる状況が見えてきて、出口に半歩踏み出すことになる」とのシナリオを描く。

 悩ましいのは、金利差拡大で円安が長引けば、日米の貿易摩擦が強まる恐れがあることだ。ただ、加藤氏は「過去に経営していた企業を破綻させた経験のあるトランプ大統領は低金利を好んでいる。米国の金利水準の絶対値は依然として低く、まだ(日米の金利差に)目くじらを立てる状況ではない」と話す。

 6日の日米首脳会談は経済も重要なテーマになる。トランプ氏による為替や金融政策への言及にも要注意だ。(米沢文)

【関連記事】

Related Post



コメントを残す