世界を騒がす「見るだけで買える」技術の正体(東洋経済オンライン)



6/27(水) 8:00配信

東洋経済オンライン

「拡張現実(AR)」の技術は大衆消費の世界に何をもたらすのか。それを最もインパクトのあるカタチで示したのが2年前の「ポケモンGO」だった。人々はレアなモンスターを求めて、縁もゆかりもない土地を続々と目指した。このARを凌駕する劇場並みの高画像を人間の脳に送り込む「複合現実(MR)」という技術が注目されている。グーグルやアリババなども投資するアメリカ・フロリダ州を本拠とする謎の会社、マジック・リープは、「買い物」空間にどんな革命をもたらすのか。

■体育館にクジラが現れた! 

 ARは、「現実を拡張する」という名のとおり、デジタル・コンテンツを実世界に重ね合わせて眺めることができる。これまでVR(仮想現実)が世の話題をさらってきたが、その親戚のようなARは、消費者にもっと大きな影響をもたらすと確信している人が多い。また、AR市場は早ければ2020年にも900億ドル市場に達すると見られている。

拙著『小売再生 ―リアル店舗はメディアになる』でも触れているが、筆者がブランドや販売店向けにAR活用事業を手がけるレイヤーやブリッパーといった企業を追いかけ始めたのは2009年のことだ。

 大手家具量販店のイケアはAR技術を利用してユーザーが同社カタログにある商品を自宅に仮想的に配置してみることができるサービスを開始した。玩具大手のレゴでは、店内で箱入りレゴセットの中身を子どもたちに見せるサービスに乗り出した。また、建築資材メーカーは、客が新製品を自宅などのスペースや壁面にARで重ね合わせてフィット感を確かめるサービスを展開している。

 ARの分野で、謎に包まれた素性もさることながら、メディアの前評判も高く、資金調達額も抜きんでていたのがマジック・リープだ。2010年創業の同社は、「デジタルと現実世界の暮らしが渾然一体となった空間を体験できるコンピューティング・プラットフォーム」と謳っていた。

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