ハーレー海外生産表明 トランプ氏「最初に白旗、驚いた」 対米報復関税の影響顕在化(産経新聞)



 【ワシントン=塩原永久】トランプ米政権の鉄鋼輸入制限に対して欧州連合(EU)や中国などが発動した報復関税が、米国内の企業や農家に及ぼす影響が顕在化してきた。米二輪車メーカーのハーレーダビッドソンは、生産の一部の海外移転を表明。豚肉やチーズといった農畜産物は打撃を受けており、米事業者は相手国からの報復拡大に懸念を深めている。

 ハーレーは25日、EUが22日に発動した二輪車への報復関税回避のため欧州向け製品の生産を米国から海外に移転すると表明。米国を代表する老舗メーカーの生産移転のニュースは、25日の米株式市場で「貿易戦争」の本格化に身構える投資家の売りを誘った。

 それでも、トランプ大統領は同日、ツイッターで「ハーレーが最初に白旗を上げるとは驚いた。彼ら(米企業)のために闘ってきたのに」と述べ、同社の判断を批判した。

 米企業にとって相手国からの報復関税に加え、鉄鋼・アルミニウムへの関税上乗せによる原材料価格の上昇も重荷だ。ハーレーの負担増は年最大1億ドルに上る。「他にも海外生産を決める企業が出てくる」(エコノミスト)との見方は根強い。

 製造業ではレジャーボートのメーカーで受注のキャンセルや延期が発生。AP通信によると、南部フロリダ州の業者は年内の売り上げが約1300万ドル減る見込み。中西部ミズーリ州では米最大級のくぎ製造業者が60人のレイオフを決めた。

 一方、中国への輸出割合が大きい豚肉などの畜産業では、4月に中国が発動した対米報復の影響で「年22億ドルの損失が予想される」(アイオワ州立大)という。チーズなどの乳製品の生産者が多い中西部の州などでも商品の値崩れが報告されており、来月1日にカナダが発動する関税が「事業者にさらに大きな打撃となる」(オハイオ州立大の専門家)とみられる。

 米国は来月6日に知的財産権侵害に関する対中制裁を発動する予定。大豆やアメリカニンジンなどの対中輸出を主力とする農家は、中国からの報復拡大を強く警戒している。

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