贈答用鉢物コチョウラン “総会需要”なぜか低調(日本農業新聞)



 鉢物のコチョウランの相場が異例の安値で推移している。企業の株主総会が集中するこの時期は、総会会場への贈答需要で引き合いが強まる夏の需要期。だが今年は、労働力不足による物流会社の配送料金値上げや配送規格見直しの影響から、様相は一変。料金の負担増となった生花店が市場からの仕入れを抑えている。産地は「配送の課題を乗り越えなければ、生産の維持が難しくなる」(関東の生産者)と訴える。(三宅映未)

配送値上げが影響 市場価格38%安に

 6月は企業の株主総会シーズンとなり、取引企業などが生花店を通じてコチョウランを贈答し、総会会場などに飾る慣習がある。現在、最需要期に差し掛かっているが、「荷動きが活発化する気配がない」と東京の卸売会社は明かす。

 東京都中央卸売市場大田市場のコチョウランせり平均取引価格(19日現在)は、贈答用の主力となる7号鉢(中値)が、1鉢1万152円。前年を38%下回り、今年6月に入ってからの最安値を付けた。例年は6月中旬以降相場は上げ基調で推移する傾向のため、低迷が続く今年は異例だ。

 背景にあるのは配送料の値上げだ。トラックドライバー不足の対応策として、大手のヤマト運輸が17年10月に値上げし、他社も続いた。値上げによって注文が減少した。もともと販売単価が高いコチョウランは、物流費の負担増を価格に転嫁しにくい。そのため利幅が狭くなり、「生花店が大鉢中心に仕入れを抑えている」(東京都内の卸)。

 配送規格の影響も大きい。贈答用の大鉢コチョウランは温度変化で花びらが劣化しやすく、転倒するリスクも高い。そのため一部の物流業者は昨年夏から、こうした大きな荷物の配送時間指定ができないようにした。

 総会会場に花を届ける際に企業の要望で午前中に注文が集中するが、「大鉢の配送は時間指定が困難な状況」(大手生花店)にある。小鉢を複数組み合わせた新商品を提案するなど対応するが、販売環境は厳しいという。

 関東でコチョウランを出荷する生産者は「生産に携わって10年以上たつが、ここまで相場が低迷したのは初めて。冷暖房など管理コストも上がり苦しい中で、物流の課題対応を強いられている」と苦慮する。

日本農業新聞



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