「信用スコアに応じ優遇」 ネット各社、模索の行方は(産経新聞)



 Jスコアが21日に始めたECの履歴と金利の優遇を結びつけるサービスは、AIがECなどさまざまなサービスの利用履歴を分析して得点化する「信用スコア」に基づく優遇サービスの日本での萌芽(ほうが)ともいえる。信用スコアの活用は中国をはじめとした各国で広がっており、日本のインターネット企業各社も前向きに検討しているが、個人情報に対する国民性の違いなどから普及が進むかは未知数だ。

 「メルカリで良い評価が10個ついていれば、スマートフォンのバッテリーのレンタルが預かり金不要になるようなポジティブなイメージだ」。フリーマーケットアプリ大手のメルカリの山田進太郎会長は、メルカリの利用履歴を利用者の信用スコア算定に生かすサービスの構想について、こう語っている。

 また、証券業務など金融事業の多角化を進めるLINE(ライン)の出沢剛社長も「金融事業から得られるデータやLINEの利用データなどを使うことで新しい信用スコアが算出できる」と説明。「金融事業全体の根底に信用スコアの活用がある」と強調した。

 両社の狙いは信用スコアを核とした各種サービス利用者の囲い込み。念頭にあるのは中国で急速に進む信用スコアに基づくサービスの普及だ。

 中国で2015年にEC大手のアリババ集団系金融子会社が提供を始めた「芝麻信用」は、アリババのECの利用履歴だけでなく、シェア自転車の返済マナーや会員制交流サイト(SNS)の交友関係などもAIが分析してスコアを算出する。スコアが高いと金利が下がるなどのメリットを受けられるが、低いと結婚や就職にまで影響が出るなどのデメリットも大きい。

 このためメルカリやラインの首脳らはこうしたデメリットや日中の文化的な違いにも配慮。「個人情報にはいろんな懸念がある。慎重に取り組みたい」(山田氏)、「個人情報保護については日中で考え方が違う部分もあるので、ユーザーの同意を得ることが一番の肝だ」(出沢氏)と強調している。(大坪玲央)

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