種子 市民が関心 国会審議 契機に勉強会 伝統野菜の議論熱く SNS使い情報発信(日本農業新聞)



 主要農作物種子法の廃止を巡る議論などを背景に、種子に対する市民の関心が高まっている。各地で市民や農家が種子についての勉強会を開き、情報収集や啓発に力を入れる。農作物の根源である種子について知りたいという動きが、消費者にも広がっている。

 埼玉県羽生市の主婦、藤倉美保さん(44)は、伝統野菜を通じて種子の大切さを伝えたいと、インターネット交流サイト(SNS)や勉強会開催を通じて情報を発信している。

 東京農業大学などで農業を学んだ藤倉さんは家庭菜園で野菜作りに励む。「のらぼう菜」など伝統野菜に関心があった藤倉さんは、種子法廃止を巡る議論で種子に注目が集まったことから「地域の在来種や種について知ってもらいたい」と1月から勉強会を各地で開く。

映画上映会100人参加

 長野県伊那市で無農薬・無化学肥料で米、野菜を栽培する「七草農場」の小森夏花さん(41)は、農家同士で種子の勉強会を行っていたが、3月には朝市を行う農家や友人らと種子に関する映画の上映会を開き、市民約100人が集まった。

 小森さんは「種子については農家でも分かっていないこともあり、市民も知らないことが多い。みんなでシェアしたい」と話す。長野県内では、こうした種子に関する市民による勉強会が毎月のように開かれているという。

シンポ開き現状紹介

 市民団体「たねと食とひと@フォーラム」は23日、東京都内で「種子法廃止後のたねのゆくえ」と題したシンポジウムを開く。同フォーラムが実施した都道府県へのアンケート結果などを紹介し、種子を巡る現状を市民に伝えていく。

 同フォーラムの西分千秋事務局長は「種子法の廃止が決まり、市民の種子への注目が高まった。一部の市民の間で、過度に不安になる人も多いが、客観的な事実に基づいた情報を伝えて、正確な法律や制度の理解を呼び掛けていく」と話す。

北海道の消費者ら きょう組織設立

 北海道では消費者、生産者団体、研究機関、市民団体の関係者らが15日、「北海道たねの会」を立ち上げる。種子について多くの人に知ってもらうため、講演会やシンポジウム、種子を学ぶ道内見学ツアー、大豆など種子を食材にした料理教室、道議会傍聴なども検討している。(石狩中央)

日本農業新聞



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