日本企業の設備投資は今年から再び海外へ(東洋経済オンライン)



6/15(金) 6:00配信

東洋経済オンライン

 経済産業省が5月8日に発表した「海外事業活動基本調査」(2016年度実績)によると、製造業の海外現地法人の設備投資額は前年度比マイナス17.6%(前年・当年とも提出のあった企業のみの比較では同マイナス21.4%)と、まとまった幅で減少した。一方、財務省の「法人企業統計調査」によると、2016年度の製造業の国内設備投資額は同プラス8.1%だった。いずれも国内の企業を網羅した調査結果であるため、両者の数字を比較して製造業の「海外設備投資比率」を求めると、2016年度は20.7%となり、3年連続で低下した。

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 5月14日の日本経済新聞朝刊「海外子会社の設備投資が減少、売上高との連動消える」では、経産省の「海外現地法人四半期調査」を用いて、「売上高は右肩上がりで伸びているのに、設備投資が減っている」と指摘。その理由として「自社で生産のすべてを抱え込まず、他社にまかせる動きが出た」という「生産戦略の変化」があり「アジアの人件費の変化もこうした動きに拍車をかける」としている。

 また、攻めの戦略として「増産投資よりもM&A(企業の合併・買収)で他社を取り込んだほうが、素早く事業を拡大できるという判断」が背景にあるという見方もある。

■設備投資の決断には為替レートも大きく影響

 企業が内外の設備投資を決断するうえでは、現地法人を置く国での売上高や人件費などコストの動向も重要だが、為替の動向も重要なファクターである。たとえば、前述した製造業の「海外設備投資比率」はドル円相場と2年程度のタイムラグをもって連動している。設備投資の意思決定と実行には年単位の時間がかかることを考えれば、2年程度のラグは妥当に思われる。

 むろん、内外のファンダメンタルズの状況を無視して円相場だけで投資比率を決めているわけではないとみられるが、内外の資源配分を決めるうえで、円相場が重要なファクターになっていることは間違いないだろう。とりわけ、アベノミクス以降は大きく円安が進んだため、過去と比べても円相場の重要性が増しているのではないか。

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