メン羊安定生産へ 北海道 NZと協力 輸入置き換え 輸出も視野(日本農業新聞)



 全国の羊肉生産量の約8割を占める北海道や道内生産者などは、ニュージーランド(NZ)と協力し、メン羊の安定生産を目的としたプロジェクトに乗り出した。種畜供給体制や寄生虫対策の確立などを進め、羊肉の生産量を安定させる。北海道ブランドを生かし、輸入が大半を占める国内需要の獲得に加え、海外市場の開拓も視野に入れる。1年目の今年はNZの民間企業が道内3カ所の協力牧場にコンサルタントを派遣。課題の抽出から始める。

 道内はかつて、メン羊生産が盛んだったが、羊肉や羊毛の輸入自由化が進んで低迷。2017年には200戸1万1529頭となった。道の推計では、14年の羊肉生産量は全国で152トン。自給率は1%以下だ。

 海外からの羊肉輸入量は、NZやオーストラリアを中心に増加傾向にあり、17年には2万トンを超えた。一方、農水省によると近年、中国で羊肉の輸入量が急増。14年は12年の2倍超となる28万2000トンに達し、大きな市場となっている。

 こうした状況を踏まえ、プロジェクトでは道産羊肉の生産安定や需要拡大を狙う。NZの放牧方式で生産した道産羊肉をブランド化し、国内での輸入品からの置き換え、将来的な海外市場の開拓も視野に入れる。

 羊肉の安定供給に向けて、道産羊の中長期的な改良目標を検討する。雄羊の生体を計画的に輸入し改良を進める。生体輸入手続きの簡素化、流通コスト削減も検討する。

 生産性を落とす要因となる寄生虫対策にも重点を置く。羊に寄生する線虫の一種、胃虫は食欲不振や貧血を引き起こし、最悪の場合、羊を衰弱死させる。一般的に薬で防除するが、薬剤耐性を持つようになってきている。NZのノウハウを生かし、羊の免疫向上や効果的な施薬法など、防除体系の確立を目指す。

 プロジェクトにはNZ大使館とメン羊の管理ノウハウを持つ同国のアンズコフーズ社、電牧柵を販売するファームエイジ社が参画。道、北海道メン羊協議会が協力する。協議会に所属する白糠町の茶路めん羊牧場と、滝川市の松尾めん羊牧場、恵庭市のえこりん村は現地実証などに携わる。

 茶路めん羊牧場の武藤浩史代表は「羊肉はアジアを中心に世界的に需要がある。まず生産性向上に向け、取り組みを進めていきたい」と期待する。

日本農業新聞



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