「木の酒」開発樹種ごと香る 森林総研(日本農業新聞)



 森林総合研究所は、木を発酵させて香り豊かな飲用アルコールを製造する技術を開発した。微粉砕した木材に食品用の酵素と酵母を加えて製造する。長期間熟成させなくても樹種ごとの特徴的な香りを含む。化学処理や熱処理は必要なく、安全性が確認されれば、新たな酒として期待できる。

 木材を原料としたアルコールには、メタンガス燃料やバイオエタノールがある。硫酸を使った化学処理や熱処理で製造するため、人体には有害なものが多い。有害成分を含まなくても、香りがないため酒として利用できない。

 開発したのは、木材を水中で微粉砕する湿式ミリング処理技術。処理した液体に、繊維を分解する酵素と酵母を加え、2、3日発酵させると、アルコール度数約2%の発酵液ができる。

 杉とシラカンバの試験では、発酵液を蒸留するとアルコール度数28~30%の蒸留物ができた。杉を原料にした蒸留物には、杉特有の香り成分が含まれていた。シラカンバでは、ウイスキーやブランデーを長期間熟成したときに生成される成分が含まれ、香り高く感じる。

 日本酒のように数カ月かけて発酵させる必要はない。同研究所の真柄謙吾研究ディレクターは、「湿式ミリングの機械を導入すれば、どの酒造メーカーでも製造できる」と話す。

 製造されたアルコールの成分を分析し、安全性を確認する計画。桜「ソメイヨシノ」やホオノキでも試験するという。真柄研究ディレクターは「安全と確認できれば、木を原料にした初めての酒になる」と期待する。

日本農業新聞



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