就活解禁形骸化 人手不足、企業に焦燥感 42%が内定(産経新聞)



 経団連の指針に基づき、主要企業による大学4年生の採用選考活動が1日、解禁され、一斉に面接や試験が行われた。しかし人手不足を受けて企業の採用意欲は強く、民間調査ではすでに大学4年生の4割強が内定を受けているとの結果もある。企業は人材確保に向け給料・待遇改善などで知恵を絞っており、指針の形骸化も指摘されている。

 「金融系2社から内定をもらっている。これからが本命」。1日の金融機関の面接に参加した4年の女子学生は自身の就活の現状についてこう話す。

 リクルートキャリアの調査では、平成31年春卒業予定の大学生の就職内定率は5月1日時点で42・7%。水面下の選考による囲い込みが浮き彫りになった。

 解禁前の内定の背景には指針に縛られずに採用を行う外資系企業やIT企業の活動がある。また人手不足が深刻な業界では大手でも焦燥感は強い。流通大手の採用担当者は「すでに事実上の内々定を出した。指針を守って採用数が確保できないとの弁明は、通らない」と苦しい胸の内を明かす。

 解禁日を守る企業も優秀な人材確保に知恵を絞る。1日に約1千人の学生と面接した損害保険ジャパン日本興亜は趣味や社会貢献など誰にも負けない実績を持つ学生を優先採用する「チャレンジコース」を新設し、差別化を図った。

 人工知能(AI)などデジタル革命が進むなか、IT人材では従来の常識にはなかった採用活動も目立つ。ヤフーはエンジニアの国内採用で、初任給で年収650万円超という好条件を提示。フリーマーケットアプリ運営のメルカリはIT技術者が豊富なインドの大学でイベントを開き、約30人を今秋に採用するなど海外に目を向ける。

 ここ数年の就活日程は学業優先や夏場の就活長期化などを理由に二転三転。「ならばいっそ法律で決めてほしい」(大手金融機関首脳)といった極論も出る。見直しを進める経団連にも決め手はなく、経済同友会の小林喜光代表幹事は「抜け駆けの議論ではなく、通年採用移行を議論しないと国際競争に勝てない」と苦言を呈している。

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