営農型発電 収量減など支障1割 改善策が不可欠 農水省調べ(日本農業新聞)



 農地に支柱を立て、営農を続けながら上部空間で太陽光発電をする「営農型発電」で、この3年間で設置された775件のうち、1割に当たる81件で収量が落ちるなど営農に支障が出ていることが、農水省の調査で分かった。同省は農家所得向上に役立つとして営農型発電の普及を進めるが、営農に支障が出ないようにする改善策が欠かせないことが改めて浮き彫りになった。

 太陽光パネルを農地の上に建てる場合、農地法ではパネルの支柱部分で転用許可が必要になる。再生可能エネルギーの普及拡大を受け、同省は2013年3月、支柱部分の一時転用を認める制度を始めた。転用期間を3年間に設定し、営農に問題がなければ再度許可される。担い手が使う農地や荒廃農地に限り、10年に延長される措置が今月から始まった。

 実態調査の期間は、措置開始から3年間。775件が制度を活用して、太陽光パネルを設置した。設置した農地の面積は10アール以下が65%、30アール以下だと88%を占め、小規模農地での活用が進む。

 都道府県を通じて実態を調査したところ、営農に支障が出たことを確認したのは81件だった。当該農地の10アール当たり収量が2割以上減ったり、生産された農産物の品質が周辺農地や過去の生産に比べて大きく落ちたりなどの報告があった。同省によると、支障が出た場合は、都道府県が農家に改善を指導してきたという。

 一方、支障を確認した81件のうち、認定農業者ら担い手は5件にとどまった。若手農家や新規就農者らが制度を活用し、荒廃農地での所得向上につなげた事例もある。担い手による制度活用が進んでいる実態を踏まえ、同省は、一時転用期間の延長措置の条件を(1)担い手が営農する農地(2)荒廃農地(3)第2種、3種の農地――に限定している。

 同制度では、設置した農地での農産物の収量などを毎年、農家が都道府県に報告する。支障が出て改善されなかったり、営農されなかったりする場合は、設備の改築・撤去を求める。支障が出る事例が増えると、制度の活用拡大に水を差しかねないだけに、同省は、チェックや改善を促すことに重点を置く考えだ。

日本農業新聞



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