炊飯器輸出が好調 過去最高101億円 国産米消費増商機に(日本農業新聞)



 炊飯器の海外輸出が順調に拡大している。財務省の貿易統計によると、2017年の炊飯器の輸出額は101億7700万円となり過去最高を更新した。国別では、中国が全体の約4割を占めるまでに急拡大している。海外に売り込むのは日本と同じ短粒種に対応した機種が中心。現地の家庭で国産米を炊飯できる環境が広がることで、国産米の輸出拡大につながるとの期待が高まっている。

 17年の炊飯器輸出額は好調だった前年より1%伸び、統計がある1988年以降で最も多くなった。主力の中国向けが前年比11%増の37億円で、この5年で3・5倍に増えた。台湾は12%増の21億円と続いた。中華圏で富裕層を中心に、短粒種用の炊飯器の引き合いが強まっている。

 業界大手の象印マホービンは、「甘味を出して、弾力ある米が炊けると支持を得ている。5万~7万円する高価格帯の製品が売れ筋」と指摘。パナソニックは「訪日外国人(インバウンド)が現地に持ち帰って、評判が広がっている」とみる。

 炊飯器の輸出額は90年には100億円に届いていたが、国内メーカーが製造工場の海外移転を進めたことで減少し、03年には25億円まで落ち込んだ。その後、現地製造と合わせて、日本からの輸出額が回復。15年以降は輸出額が3年連続で100億円の大台を超えている。輸出額にはインバウンドの手土産分は含まれておらず、実際の海外向け販売額はさらに膨らむもようだ。

 輸出額トップの中国は、米消費量が年間約1億5000万トンで日本の20倍に及ぶ。5月上旬に日本と中国両政府が日本産米の輸出施設を増やすことに合意し、炊飯器とともに、米の売り込み活発化が期待される。

 現状、米の輸出は中国を含めても32億円にとどまる。海外で生産される短粒種との競合がある。堅調な炊飯器の輸出を、国産米の海外での商機につなげられるかが鍵となる。

 全日本コメ・コメ関連食品輸出促進協議会は「国産米をおいしく炊ける環境が海外で整えば、米の輸出拡大につながる」と期待を寄せる。

日本農業新聞



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